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【十三機兵防衛圏】
プレイリスト
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上から順番に見るとストーリーを追えます!
【登場キャラクター】
鞍部十郎(くらべ じゅうろう)
声 - 下野紘
本作の13人の主人公の一人。黒髪、短髪の少年。咲良高等学校に通う16歳の男子高校生。1年B組。巨大ロボットや怪獣の映画が好きで、毎日何かしら映画をビデオで見ている。日々の生活にどこか違和感を感じていたが、ある日意図せず巨大な謎なロボットを出現させてしまう。右手に「機兵」に搭乗するためのスイッチがある。
冬坂五百里(ふゆさか いおり)
声 - 種崎敦美
本作の13人の主人公の一人、ロングヘアの銀髪少女。頭に花の髪止めをしている。咲良高等学校に通う女子高校生。1年B組。どこか憎めない普通の明るい女子高生。成績は平均すれば普通、教科ごとの出来不出来が激しい。最近は変な夢に悩まされ、不眠が続き、寝坊したり授業中に居眠りしたりしている。遅刻ギリギリで登校した日に、校門で偶然ぶつかった関ヶ原瑛に一目ぼれする。右の太ももに「機兵」に搭乗するためのスイッチがある。
網口愁(あみぐち しゅう)
声 - 鈴木達央
本作の13人の主人公の一人。茶色の短髪の少年。いつも学生服の前を開けて、黒いアンダーシャツを着ている。咲良高等学校に通う男子高校生。家が金持ちで、スポーツ万能のプレイボーイ。軽薄だが、人当たらいが良いため、男女ともに人気がある。本心では、世の中に退屈している一面を持つ。偶然通りかかった商店街で、複数の男たちに絡まれている鷹宮を助け出し、彼女に惚れ込むことになる。最近よく見る不思議な夢とテレビから話しかけてくる謎の少女の件で悩んでいる。
薬師寺恵(やくしじ めぐみ)
声 - 内田真礼
本作の13人の主人公の一人。黒髪のロングヘアの少女。眼鏡をかけている。咲良高等学校に通う女子高校生。南奈津乃と同じクラスの1年C組。破滅した2025年からやってきた未来人。2024年に、和泉十郎と出会い、恋をする。真面目で感情をあまり表に出さないが、強引に鞍部家の居候になるなど、十郎に強い愛情を示す。料理が得意で、毎日のように十郎や三浦のためにお弁当や夕ご飯など作っている。記憶を失くした十郎を救いたいと願ったとき、“しゃべる猫”から“魔法の銃”で指定した人間を撃てば、鞍部の記憶を戻してやると契約を持ち掛けられ、契約を結ぶ。
比治山隆俊(ひじやま たかとし)
声 - 石井隆之
本作の13人の主人公の一人。髪はやや長い少年。実直で、男らしい性格。1944年で搭乗員候補生の訓練を受けている少年。三浦の先輩にあたる、日本軍の兵士。とある美しい少女にひと目惚れするが彼女の正体は沖野司という男だと知らされる。それを信じられない比治山は沖野を追いかけるために見知らぬ少年に強引に付いていき、1985年にタイムスリップしてしまう。餓死寸前の時に名前も知らない女子に恵んでもらった焼きそばパンがお気に入り。時を越えてもたくましく生きていた比治山は、半年ぶりに再会した沖野と過去に戻るため取引をする。女装姿に惚れた弱みから、沖野に振り回されるが、まんざらでもない。
鷹宮由貴(たかみや ゆき)
声 - 小清水亜美
本作の13人の主人公の一人。ポニーテールを赤いリボンで縛っている少女。手には革グローブをしている。他校にも名が知れるほど腕の立つスケバン少女。仲間思いで、正義感が強く、喧嘩っ早い。南奈津乃は小学生からの幼馴染の親友で、唯一気兼ねなく話せる相手。中学で引越ししたため離ればなれになり、それからは文通している。適合者リストに乗っていた幼馴染の身を案じたのと、服役中の父親、鷹宮平太のことで、井田に弱みを握られ、兵器製造にかかわる生徒を調査するスパイ任務を受けて咲良高校に転校する。助手と名乗る相葉絵理花とともに、南失踪の真相に迫る。
関ヶ原瑛(せきがはら えい)
声 - 浪川大輔
本作の13人の主人公の一人。髪の色は薄く、とても短い。目を覚ますと、記憶をなくしていた少年。傍らには見ず知らずの女性の死体があり、黒服の男たちに執拗に追われる身となっていた。過去の自分からのメッセージで、この世界から脱出しろと言われる。
南奈津乃(みなみ なつの)
声 - 佐倉薫
本作の13人の主人公の一人。髪は茶色のショートヘアの少女で、体操服を着ている。咲良高等学校に通う女子高校生で、元気で素直な陸上部員。薬師寺と同じクラスの1年C組。純粋に宇宙人との交流を夢見るオカルトマニア。両親と弟の四人家族。お隣の玉緒おばあちゃん(鞍部十郎の祖母)と仲が良い。冬坂五百里と沢渡美和子、鷹宮由貴とは小学校からの親友。部室に現れた謎のロボット「BJ」と出会い、17番機兵を探すため、BJと共に時をかけて、さまざまな事件に巻き込まれていく。過去から来た三浦と知り合い、お互いを意識するようになる。[7] 2187年では、宇宙で三浦と面影が似ている青年と話している女性と似ている。右頬に機兵に乗るためのスイッチがある。
三浦慶太郎(みうら けいたろう)
声 - 石川界人
本作の13人の主人公の一人。妹思いで、思慮深く、生真面目。額に傷があり、学帽で隠している。1944年で日本軍の新型兵器である機兵の搭乗員。太平洋戦争さなかに三浦は未知の技術・機兵とかかわり、祖国のために戦うことを誓う。比治山とは同郷の先輩後輩で、ともに祖国を思う気持ちは強い。未確認巨大物体と戦いの最中、意図せず1985に時間移動してしまう。元の時代で出会った南奈津乃と再会し、彼女の紹介で鞍部家に身を寄せることになる。残された幼馴染の鞍部玉緒(鞍部の祖母)と妹の千尋を案じて1945年へ戻る方法を探る。[8] 2187年では、宇宙で「生まれ変わるとしたら、太平洋戦争の時代を選ぶ」と告げた青年と面影が似ている。
如月兎美(きさらぎ とみ)
声 - M・A・O
本作の13人の主人公の一人。白い髪は長くお下げにしている少女。赤いフレームの眼鏡をしている。兎美は「とみ」と読むが、友達からは「ウサミ」というあだ名で呼ばれている。咲良高等学校に通う女子高校生。1年B組。遠慮のない言動で、生意気に見られやすいが、頭がよく回り、逆境を乗り越える心の強さを持つ。2024年からやってきた未来人で薬師寺の友達だったが、時を超え1985年では普通の女子高生として生活していた。未来人であることは隠しながら、冬坂や沢渡と仲良くなる。沢渡と幼馴染である緒方のツテで、敷島重工に関する謎を探ろうとした時に、謎の光により、廃墟となった2025年に緒方と沢渡とともに飛ばされてしまう。腰の左側に機兵に乗るためのスイッチがある。
緒方稔二(おがた ねんじ)
声 - 関智一
本作の13人の主人公の一人。リーゼント・ヘアの少年。情に厚い、昔気質の不良少年。咲良高等学校に通う男子高校生。喧嘩が強く、度胸が据わっているため、中学時代には周辺の不良たちの間で有名人となっていた。父は大企業・敷島重工に勤めている。沢渡や南とは幼馴染の関係。偶然乗った電車で、”時が戻る”体験をする。巻き戻される時のなか、不思議な声からある鍵の解明を指示される。
東雲諒子(しののめ りょうこ)
声 - 早見沙織
本作の13人の主人公の一人。ウェーブがかったボブカットの少女。頭や制服の下に包帯を巻いている。咲良高等学校に通う女子高校生。2064年からやってきた少女。2064年では、好意を寄せる井田を想う一心で、機兵に搭乗していた。戦闘での事故以来、記憶が困惑気味。常に薬を飲んでいないと激しい頭痛で意識を失ってしまう。だがある事件をきっかけに、凶悪犯”426”を追いかけることとなる。
郷登蓮也(ごうと れんや)
声 - 福山潤
本作の13人の主人公の一人。黒髪の短髪の少年。眼鏡をかけている。もとは2064年の人間のようだが、1985年、1945年をも訪れ、森村の右腕となり働いている。頭脳明晰で、冷静に機兵操縦者を束ねるリーダー的存在。データは改ざん出来るから信じないとメモ帳を愛用している。1985年では、咲良高等学校に通う男子高校生。2年A組。情報収集の過度で、2188年の”未来の自分”らしき人物が「計画防止のために、森村を始末しろ」と誰かに指示を出す記録を見てしまう。
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暇潰しに一献いかがか
立ったからゆるゆる書くわ
私の唯一の霊体験は、
友人(A子)の家でだけだった。
A子は当時悪質な
ストーカーに悩まされていて、
ついに命の危機を感じる
レベルまで追い込まれて
引越しを決意した。
不動産屋に飛び込んで
これこれこうでと事情を話し、
今日明日にでも引っ越せる
部屋はないかと聞いたところ
「一つあります」と出された
物件の情報はあり得ないものだった。
築年数こそ普通だけど都心
繁華街に近い2LDK、
敷礼なし、即日可、それで
6万行かないくらい。
「怪しさ満点だろ…」と
付き添いの私でさえ顔に出
てたと思う。
不動産屋もそれを察してな
のか「正直に言います」と
・刃傷沙汰はあったけれど
この部屋で亡くなっ人は出た
ことはない
・家に帰ると部屋が荒らさ
れていて一度は警察を呼ぶことになる
・女がいると言って入居者は
半年持たずに出て行く
・お祓いやらなにやら
試し済みだけど効果はない
やべーよやべーよと思ったけどA子は
「それは放火未遂を
起こしたりしましたか?」
とだけ聞き、
さすがにそれはないと聞くと
即契約してしまった。
やべーよやべーよ
「放火する人間より散らかす
幽霊がいい」
は名言として今も私の中で
語り継がれている。
さすがに即入居とは
ならなかったけど、
ほぼ夜逃げ状態でA子は訳
あり物件へ引っ越した。
警察やらを介入させて
ストーカー問題を片付ける
のに二ヶ月くらい掛かったと思う。
友人達でA子の無事を祝い
集まった時に、
「そういえば家大丈夫なの?」
と聞いてみた。
引越してから一度もA子の
口から幽霊という単語は出て
いなかったから、
不動産屋が大袈裟に
言っただけで当たり物件を
引いたのかと。
しかしA子はさらりと
「いるよ、女の子。
クローゼットの中にいる」
と返した。
A子の家は玄関入ってすぐに一部屋、
奥にリビングともう一
部屋という間取りで
不動産屋が言うには玄関横の
一部屋当たりがハザード
ポイントだと言っていた。
そしてまさにそこに出るらしい。
・家に帰ると靴が収納から
全部出されてぐっちゃぐちゃ
・また別の日はリネン系を
まとめてぐっちゃぐちゃ
・ハザードルームの前にある
トイレから出ると、
人影がその部屋に入って行くのと遭遇
→その後部屋の中の
クローゼットが閉まる音がする
・お風呂に入っているとドアの前、
擦り戸越しに人影が立つ
これらのどれかが1日1回は
必ず起こるらしい。
あぁ先に言っとくけど対して
面白い話じゃないよ
怖くもないと思う。
今まで5人ぐらいに
話したけど誰にも信じて
もらえんかった
信じるよぼく(^q^)
A子は着道楽だった。
物持ちもいいしセンスもいいから、
衣服を捨てるということは
滅多にない。
約10年経った今でも当時の
服を着回してるのにすごいオシャレ。
そんなA子、そのハザード
ルームを衣裳部屋としてフル
活用していたらしい。
そしてそこに住んでいる幽霊、
A子の衣服でコーディネート
して遊んでいた。
服は上から下まで、たまに
靴とバッグを添えて床に
置いてあるらしい。
幽霊コーデはクソダサい
↓
15点とかその日の採点を
呟いてからA子出掛ける
↓
帰ると
・衣裳部屋保管の靴が左右
入れ替えられたりする
・バッグの中に肌着が
詰め込まれたりする
・上下のセットアップが
バラバラに保管される
ということが起きている
↓
「評価低くて腹立つなら
センス磨け!」
と説教しながらA子お片付け
↓
翌朝新コーデ発見
↓
やはりクソダサい
面白いやんけもっと
幽霊見たい!
となった私と友人のB美で、
その日はA子の家に止まら
せてもらうことにした。
お酒とか買い込んで、
夜逃げ手伝いした時以来の
A子の家に行った。
やっぱりすごく立地の良い
場所にあって、
大学入りたての小娘が住める
ようなマンションじゃなかった。
部屋に入っても空気が
重いとか嫌な感じが
するとかは一切なくて、
それどころか綺麗好きの
A子らしくモデルルーム
みたいだった。
あの部屋を見てから実は
おばけでるとか聞いても、
誰も信じないと思う。
朝風呂派のB美を抜いてまず
シャワーを浴びようって話になった。
寝巻きも貸すよーハザード
ルーム取りに行くよーという
A子の後に付いて、
いざハザードルーム。
ドアを開けて中を見た瞬間、
恥ずかしながら腰が抜けて
座り込んだ。
薄暗い部屋の中で人間の形を
したものが、
ぶら下がって揺れていた。
A子の言う通り、今
思い返しても何も思い出せない。
腰が抜けたままじっとその
首吊り光景を見てたのに、
どんな服装してたとか
顔付きや体型も、
肌が肌色だったかも思い出せない。
ん?AもBもそれ見れたの?
自分だけ?
3人で見たよ
A子を盾に私とBは
背中越しに部屋の中見た感じ。
ただ人間の形をしているものが、
首を吊って揺れていたのだけ
覚えてる。
B美はうひぃぃみたいな息の
抜けた声を出していて、
A子は「あらー新技ー」とか
言ってた。
B美がすぐさまドアを閉めたのに、
A子は
「二人ともTシャツと
ショーパンとかでいいよね?」
とかいいながら中に入って
いって二人分の着替えを
持って出てきた。
「まだいた?ぶら下がってる?」
「もういなかったよー」
のほほんとしてるA子の
肝っ玉半端ねぇ。
「あんなホラー映画みたいな
の初めて!
お客さん来てテンション上
がってんのかな!」
なんていうお前の
テンションもおかしいよ?
この空気の中お風呂とか借り
れないんですけど?
「ドア越しに立ってたり
するけどそれだけだよ。
そういう模様の扉だと
思えばなんてことないよ」
って言われても怖いもんは怖いし、
取り敢えず先にA子にお風呂
入ってもらった。
残されたB美と二人、
ドアを頑なに見ないよう
背中を向けて寄り添いながら
聞いてたKISSは今でも
よく覚えてる。
お陰で今もテンション
上げたい時は自然と
KISSを聞くようになった。
A子さんと友達になって修行
したいわwww
俺ほんの少し感じることある
んだけど毎度怖すぎる
「なんともないよー」と
至って普通にあがってきた
A子に後押され、
次は私がお風呂に。
超腰引けてた。
さっと洗ってさっと出ようと思い、
急いで服脱いで扉開けて、
そこでまた腰が抜けた。
あの一晩で私の腰ボロボロに
なったと思う。
シャワーヘッドの上、
天井と壁の境目辺りに手形があった。
黒ずんだ手形で、血?
っていうかなんともなくねーよ畜生!
なんて思ってたけど、
もうその時は涙目だった。
怖くて怖くて。
もしかしてA子が演出で
やったとかも一瞬頭によぎったけど、
綺麗好きで
「家の汚れは心の汚れ!」が
モットーのA子が水回りを
汚すわけない。
幽霊の洗礼だ。
うひょー
( ;)
バスタオルだけ巻いて
リビングに戻った。
飛び込んで来た私を見て
「扉の模様だよ?」と言われたけど、
壁だし!手形模様なんてごめんだよ!
と喚きながらA子をお風呂に
連れてった。
B美は私のバスタオルを
引っ張りながら着いてくる
もんだから全裸御開帳に
なりそうでそれもまた
ハラハラさせられた。
「A子の悪戯じゃないよね?」
とじっと浴室を見るA子の
顔を覗き込んだら、
おっとり美人のA子の顔が
般若になっていた。
普段にこにこしてるばかりの
人が怒ると本当に怖い。
首吊りよりも手形よりも、
この時のA子が一番怖かった。
幽霊なんかを怖がってた
自分をぶん殴りたい。
私はA子が怒った時の方が
怖いことを知った。
そのまま無言でA子は
ハザードルームに行った。
B美と二人くっついてたら
殴ったような音が聞こえて
(後にA子がクローゼットの
扉を蹴った音だったと判明)
「おいコラ、クソデブ!
人の家になにしてくれてんだ!
家賃も払ってない居候の
分際で調子に乗るんじゃない!」
という怒鳴り声。
「悪戯と嫌がらせは違う」
「住まわせて頂いて
いるという謙虚な心を持ちなさい」
「お客様は驚かす
ものじゃなくてもてなすもの」
一通り説教した後に
「帰るまでに綺麗にしときなさいよ!
綺麗にしなかったらお前の
部屋は今日から洗濯機の中。
毎日ぐるんぐるん回してやるわ!」
と言い捨てて、
A子は戻ってきた。
「ごめん、ちょっと外に飲み
直しに行こう」
って申し訳なさそうな顔で
言うA子に、
もはや逆らえない。
B美はずっと
「ぐるんぐるん」って呟いてた。
ツボに入ったらしい。
近所のバーに場所を移して
一息ついたら、
色んな恐怖も薄れた。
そんなことよりもA子の
般若へのメタモルフォーゼの
方が問題だった。
今まで幽霊の仕業に怒り一つ見せず、
それどころかにこにこ話して
いたのに、
何故あんなにも怒ったのか。
A子曰くまず怒り狂ったのは
・乾いた血だったらもっと
黒寄りだし、
赤くも無かった
だからあれは血じゃなくて
多分乾いた泥
血と違って泥は洗い流すと
排水口に溜まる
昨日ぴかぴかに
したばかりなのに汚された事が許せ
クソデブ発言
・手形の跡がデブの手だった
自分より小さそうな手形なのに、
指と指の間がほとんど空い
てなかったからデブだと思った
お前冷静だな。
うちらそんなじっくり
考えながら見てなかったわ。
果たして幽霊に掃除なんて
出来るのか。
いや汚すことが出来る
んだから綺麗にすることも
出来るはず。
怪談話で汚された壊さ
れたって話はよく聞くけど、
その後の対処は語られない。
やっぱり手形付いたままな
んじゃない?
なんて談義を繰り広げ、
掃除し直しかーと項垂れる
A子を連れて部屋に戻った。
2時間くらい店にいたと思う。
山手線の始発まで
もう少しって時間で、
夏だったから結構明るくて、
そのお陰で部屋に戻るのも
怖くなかった。
一番にお風呂に行くと、
手形の痕跡なんて全くなく
どこもかしこも綺麗だった。
その前にA子がお風呂に
入ったはずなのに、
その時の水気もなくて、
浴室中を布で拭き取った
みたいだなって思ったのを、
よく覚えてる。
A子は
「やれば出来るじゃーん」
と超ご機嫌で、
ハザードルームに入って行った。
「悪戯はいいけど嫌がらせはダメ。
お互い思いやりを持って暮らそうね」
って幽霊に言うことじゃない。
しかしA子のキレた時の発言といい、
綺麗に磨かれた浴室の具合といい、
なんかシンデレラ
みたいだねという話になって
あの日から幽霊の名前は
シンデレラになった。
起きた時は昼過ぎだった。
昨日入れなかったお風呂を
借りようとしたら、
A子が着て帰ってもいい服を
貸すよと言って一式持ってきた。
赤いTシャツにサックス
ブルーのミニスカート。
あと焦げ茶のニーハイソックス。
デニムジャケットに花柄キャミ、
デニムのショーパン。
魅惑のデニムonデニム。
繰り返すがA子はお洒落さんだ。
こんな組み合わせをする
ような子じゃない。
ニーハイに至っては春先に
A子が履いていたもので、
季節感ガン無視コーデだった。
これを着て帰れと?
という顔をしてたんだと思う。
ぶらんぶらんしたのは
嫌がらせじゃなくてイ