ようやく映画『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』を見ました！ おもしろいのですが、さすがに３時間は長いでしょう。ホラー映画というよりは、青春映画。大人になった今、青春時代を解雇するノスタルジックな色彩が強い。
また、過去のトラウマやコンプレックスと立ち向かう、強烈な心理戦。登場人物が多いので、「これでもか」「これでもか」と、トラウマと立ち向かう描写が続く。原作のスティーブン・キングは、いったいどれほどネガティブな青春時代を送ったのかと心配になる。
自分の「青春時代」を取り戻したい、やり直したいて的な彼の願望が、本作のような超長編を書くエネルギー源であったことは間違いないであろう。そこを踏まえると、スティーブン・キングが、中古品店の店主としてカメオ出演しているのが意味深。過去の思い出を集めておいてあるような、中古品店の店主ということですから。
「27年前の青春時代の記憶があいまい」という設定もおもしろい。私も、最近、子供の頃の細かなことを、すっかり忘れているとつくづく思うから。そうした「忘却」というものが、本作のちょっとしたスパイスになっている。
『IT』第１作は、それとシンクロしていて、1980年公開の29年前だから、同じくらいのタイムスパン。当然映画のシーンも、かなり記憶がいまいになっていて、今回の主人公が昔の記憶を思い出しながら、「そういえばみういうシーンがあったな」と思い出すところが、主人公に共感できておもしろかったりする。
私はスティーブン・キングの世界観は大好きなので、本作もかなり楽しませていただいた。
