「ストレスに強くなる方法を教えてください」という質問がよく来ますが、ストレス耐性を高めるという発想はやめたほうがいいでしょう。ストレスにあらがったり、耐えたりするには、膨大な精神エネルギーを要するからです。
最近の精神医学で注目されている概念が「レジリエンス」。レジリエンスとは、「逆境や困難から立ち直る力」。「心のしなやかさ」と訳されることもあります。
ストレスに耐えるのではなく、ストレスをふわっと受け流す。拙著『人生うまくいく人の感情リセット術』の中に、「のれんの法則」というのが登場します。ストレスは受け止めるのではなく、受け流したほうが心が楽になりますよ。心をのれんのように、ふわっとさせましょう。というのが「のれんの法則」。実は、「のれんの法則」は、レジリエンスの考え方を、樺沢流に表現したものです。
レジリエンスが高い人は、上司に叱られても凹まないし、すぐに立ち直ることができます。失恋しても、失恋のショックを引きずることもない。ストレスの多い職場でも、上手に適応し、バリバリ働くことが出来ます。
レジリエンスが高い人は、メンタル疾患になりづらいし、現在、メンタル疾患で治療中の人は、レジリエンスを高めることで病気を治すことができる。また、再発予防にも、大いに役立てることができます。レジリエンスを高い人は、心が健康です。
では、どうすればレジリエンスを高めることができるのか？ というと、それを一言で説明するのは難しい。
何か一冊、本を読んでください、ということになるのですが、レジリエンスを高めたい人が読むべき一冊として、この本をお勧めします。
『折れない心のつくりかた はじめてのレジリエンスワークブック』（一般社団法人日本ポジティブ心理学協会著、すばる舎）https://amzn.to/2jU1VKv
ペンシルバニア大学で効果が認められた、エビデンスのあるレジリエンストレーニング法を、簡単なワーク形式で実践する本です。
ペンシルバニア大学は、レジリエンス研究の総本山のようなところで、本書で紹介されている「レジリエンス・トレーニング」は、学校教育の現場や軍隊のトレーニングにも導入されている十分なエビデンスのある効果の高い方法なのです。本書のワークを進めていくと、誰でも簡単にレジリエンスを高めることができます。
本は、読んでも、ほとんどの人は、内容を実践しないので、
その内容が身につかないのです。しかし、このような実践しやすいワーク形式であれば、ただ「書く」だけですから、実行しやすく、身に付けやすい。ものすごく、結果を出しやすいと言えます。
具体的には、
（１）「最近うまくいかなかったこと」や「感情的になったこと」を５～１０個、ノートに書き出そう。
（２）それぞれの出来事について、ストレスの度合いを１～５段階で評価してみよう。
（３）それぞれの出来事について、自分の「解釈」を書き出そう。
といった、非常にわかりやすい７つのステップを踏むことで、自己分析、自己洞察が進み、自分の「思考のクセ」を知ることができます。さらに、それに対して、対処法のワークを行い、具体的に思考のクセを修正していきます。
私の本や動画で、「もっと自己分析をしよう！」ということを言っていますが、具体的にどうやって自己分析をすすめていくのかは、説明するのがなかなか難しいのですが、本書では、それがワーク形式でわかりやすく解説されています。
ということで、ワーク形式でレリジリエンスを高められる本書は、単なる読んで終わりではなく、ワークという「アウトプット」と一体にすることで、実際に実行すれば、レリジリエンスが高まる一冊になっています。
文字数も多くないし、字も大きめに作られていますので、
患者さんにも読みやすいでしょう。
＃ ストレスに弱い人
＃ ちょっとした出来事ですぐに落ち込んだり、立直りが遅い人
＃ メンタル疾患を治療中の人
＃ メンタル疾患で寛解したものの再発が心配な人
などには、高い効果を発揮しますので、是非とも、このワークを実践してください。
実行すれば、必ずレジリエンスが高まるホームラン本！！
是非、一人でも多くの人にこの内容を実践して、
レジリエンスを高めていただきたいと思います。
『折れない心のつくりかた はじめてのレジリエンスワークブック』
（一般社団法人日本ポジティブ心理学協会著、すばる舎）
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