東京五輪ではJapan Consortium として各局に配信されるスポーツクライミングのテレビ中継において予選から決勝までの全日程で解説を務めさせていただきました。
このコロナ禍の中で無観客試合となりテレビを通してお伝えすることがとても重要で責任の重さと共にこの大一番に使命を頂き本当に光栄でした。
観戦される方々はクライミングを知らない方々からクライミングをよく知るクライマーまで何百万、何千万人という日本の視聴者がいて分かりやすく、的確さを持って、できるだけ魅力的に伝えることを自分に心がけ話させて頂きました。
自分がどこまでやれたのか、不安もありますが日々言葉で伝えるお仕事をするアナウンサーさんにリードされながら自分の五感を研ぎ澄まし選手の状況や試合展開、細かい技術や歴史的なことなど全身全霊で言葉を選び4日間オンサイトライブで解説を努めさせて頂きました。アナウンサーの皆さん、放送関係者の皆さん本当に頼りになる皆さんに支えられ僕自身はやり切った感動に浸っております。本当にありがとうございました。
今は自分を出し切った感覚と選手たちの活躍で満足感に浸っていますが、女子決勝を思い出すと目頭が熱くなってしまいます。
そして僕自身も様々な学びがあり「スポーツの価値」「スポーツの力」を再認識させて頂きました。
メダルはもちろん人間を牽引する大切な目標であり夢です。しかし、その道のりで得たものはそのアスリートの人生を必ず豊かにします。自分を信じ目標達成を目指し頑張ってきた日々やその瞬間は、その舞台に立たないと学べないと思いますが、自分は参加した選手皆んなが、そこにメダル以上の価値を将来もたらすのではないでしょうか。
35年ほどのポーツクライミング史の中でようやくオリンピックという舞台に我々がたどり着き、自分の時代には直接選手として触れることができなかったその価値を世界各国40人の選手はその価値に触れられたと思います。
クライミング界は新しい扉を開き「スポーツの価値」「スポーツの力」をどのように選手やクライミング界、そして一人一人の成長につなげていくかが今後クライミングの成長に欠かせない大切な要素になると思います。
最後に、オリンピックを実現するために尽力された皆様に感謝するとともに、オリンピックで日本中を大いに感動させてくれた4人のアスリートに敬意を表します。そして銀メダル、銅メダルは、長い道のりの中で沢山の苦難を乗り越え、努力をし獲得したメダルです。そんな瞬間をテレビを通し皆さんに届けることができたことに感謝すると共に素晴らしい経験と感動を野中生萌、野口啓代の二人には頂きました。本当にありがとう!!!!
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