#和婚辞典 3/23
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お母様へのアドバイス
礼装にはしきたりや約束事があります。
礼装には連綿と続いているしきたりに沿った装い方が求められます。まず、既婚者と未婚者で着るきものが違います。未婚者の第一礼装は振袖。既婚者は留袖です。昔は既婚者と未婚者で髪型から装いまで決められていました。
最近はきものの装いやしきたりをあまりうるさく言わなくなったようですが、礼装に関しては約束事は守られています。
ミセスの礼装は最高の格を持っているのが留袖ですが、最近は独身でも年齢が高い人は色留袖を着ることもあります。
色留袖は黒留袖と同格で第一礼装です。皇室では晴れ着に黒色は使いませんので、宮中の叙勲、園遊会、晩餐会にお招きいただいた民間の夫人は色留袖を着るのが決まり事になっています。
お母様は結婚式には黒留袖、色留袖のどちらを着ても良いのですが、結婚式は両家のバランスが大切ですから、同格だからといっても、両家のお母様がちぐはぐの装いにならないように事前に話し合って決めるのがベターです。
一般に衣装合わせではお母様は自分できものを選ばれますが、帯や小物はコーディネーターにお任せの方が多いようです。しかし帯や小物を一緒に選んであげる心遣いもほしいものです。
以前は留袖の帯締めは白の丸絎と決められていましたが、最近は金糸銀糸を組み込んだ平打ちの帯締めがほとんどです。
帯揚げも白の総絞りと決められていましたが、最近は金糸銀糸で刺繍した総絞りの帯揚げを合わせる場合もあります。ちなみに、帯枕に当たる部分に絞りの何物は格が一段下がります。
また、正装には必ず扇子を持ちます。扇子を胸元にさす位置は帯と帯揚げの間です。着付師は正しい位置にさしたのに、扇子を手にした所作のあと、自分でさすときに間違えて、さしやすい帯締めにさしてしまうお母様もいらっしゃるので、気が付いたら直してあげましょう。
扇子は男性、女性の区別なく礼装には必ず持つのがしきたりです。
畳の席でお挨拶するとき、膝前に扇子を置き威儀を正してご挨拶します。
男性の場合は帯刀が許されないされない場所で、事が起きた時に扇子を護身に使うともいわれています。
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