ASAKU® X Dragon Life
Part.1
この本の全13章。
アサク伝X真龍の魂
原作: 劉明昆
訳者:ZiON
あらすじ
神説年暦36772年
『神説大陸』の地表にある『人間界』『妖精界』『幻獣界』に、緑色の『鏡返ノ核』が出現し始める。毎回の出現場所が不定、中から核を守るための小さな魔物が同時に現れる。出現して24時間後赤色に変化し、半径一キロあたりにて『逆時震盪』でエネルギーを放つ。その力によって時間が過去へN年分に巻き戻し、そしてより強い魔物と、核を守護する『鏡返核獣(ミラーコア獣)』が召喚される。一つの『鏡返ノ核』に一回しか『逆時震盪』が発動しない、が、コアが出現するだけで周囲にいる動物や魔物の狂暴化を引き起こす。
『鏡返ノ核』の出現頻度が約3~7日、現在、コアを破壊する方法が見つかっていない。
『逆時震盪』が発生すれば、半径一キロの範囲内で過去へN年分のタイムリープが起こり、有機物でも無機物でも時間がN年分巻き戻される影響を受ける。例をあげるとつまり、「その場にいる人間はそのN年分若返る」という、実際の存在時間がNより少ない場合は、存在ごと消えることになるが、その範囲から出ると元通りに戻る。単なる時間の巻き戻しではなく、コアを守る魔物も多く出現するのと、そのN年前に存在していた者も一緒に現れるが、魂の持たない攻撃的なゾンビになってしまう。それでも、亡くなった人に会いたい人にとってはどうしても、期待を持ってしまうことでしょう。
魔物による破壊と、どれくらいの時間が巻き戻されるかは予測不能なため、誰も予兆が出る時に影響範囲内にとどまらない。『逆時震盪』が起きれば、逃げるしかない。
神説大陸に存在する種族の中で唯一、『逆時震盪』に影響されないのは精霊族だ。そして、『鏡返ノ核』は精霊界にだけ出現しないと言われている。理由こそ不明だが、『逆時震盪』に影響されない絶対的な防御力を持つ精霊でも、コアを破壊する能力がなく、魔物の出現を阻止するのには封印しか手段がない。
精霊聖王の命令により、『精霊界』光族の封印士・アサクとその仲間たちは、『鏡返ノ核』の出現場所を予測し、『逆時震盪』を測れる【不帰ノ羅針盤】を手に、“『逆時震盪』による危害と大量に出現する魔物の原因・『鏡返ノ核』を封印すべく”と、世界へと旅立つ。
第一章:封印士アサク(Action Chapter)
神説年暦36722年 8月12日 月曜日 午後三時
人間界の『フィル王城』の西南方向にある小さな村『エデンの村』では、『鏡返ノ核』の出現によって、村人たちを撤退させるべく、フィル王城から発遣された軍隊が、人々を守るため魔物と戦う。コアが赤色に変化し始め、残り時間30分あたりで、『逆時震盪』による大量の魔物に備えるため、軍隊が戦線を下げて村の外に包囲網を張ろうとしたその時、布陣の手前に急に『折畳ノ廻廊』が現れ、中から青い服に白マント、【聖印短劍】を持つ魔法使いらしき若い男と、その隣にピエロのようなぬいぐるみと、羽をもつ獅子、そしてかわいらしい女の子が一緒に出てきて、そのまま村へ向かっていく。慌てて止めようとする兵士に、男がこういう。
アサク「俺は精霊聖王のご命令により『鏡返ノ核』を封印すべくここにきた精霊光族の封印士、名はアサクだ。あんたたちみたいな役に立たない小物は早くどっかに逃げるんだな」
兵士 「な、この無礼もの!」
となりに立っている女の子がアサクにストレートを一発かまして、礼儀正しくこう言った。
イリヤ「精霊土族の猛獣使い・イリヤと申します。兄のご無礼をお詫びいたします。こちらの軍隊をお率いになっている将軍様はどなたでしょうか」
この時、将軍らしき男が布陣から出てきて、礼儀正しく挨拶をする。
スタール「精霊界からのお力添え、感謝いたします。俺はフィル王国軍団団長・スタールと申します。どうかコアを封印し、危害をお治めくださいませ」
イリヤ「村にはもう全員撤退しましたでしょうか」
スタール「ええ、全員撤退させました」
アサク「よし、なら安心して暴れるんだな!」
そう言って、ピエロのようなぬいぐるみと羽をもつ魔獅子を連れて村へ駆け込んで、魔物を戦うためにコアへと前進する。
イリヤ「イリアは魔獣の狂暴化について調査するために来ましたの。コアの影響で普段おとなしいものでもとても攻撃的になってしまいますので、どうかお気を付けてください」
イリヤはスタール団長へ一礼してからアサクに続けて村へと入った。
大量の魔物が襲い掛かる。アサクは【聖印短劍】で迎え撃つ。【聖印短劍】に切られた魔物はすべて封印術によって身動きを取れず、そしてその属性の力を短剣の中へ吸い込んで蓄えることができる。ほかの物に触れても同じ効果で、例えば石なら土属性の力を吸い込むことができる。
アサクが魔法を発動するのには、左手に正三星陣、右手に逆三星陣を放ち、吸収した属性の力を手の魔法陣に付与すれば、陣魔法で攻撃できる。敵が複数の場合は逆三星陣で拡散式の魔法を、一点攻撃する場合は正三星陣で集中式の魔法を発する。だが陣魔法の威力は、吸収した属性の力強さで決められる。
イリヤは【愛のムチ】で戦う。このムチに叩かれると、悪の魔獣は浄化され、正常の魔獣ならおとなしくなって攻撃してこなくなる、イリヤの友達になって一緒に戦ってくれることも。
コアに近づければ近づくほど敵が強くなり、アサクが一気にコア近づけることを決めて、【聖印短劍】をしめて、ピエロのようなぬいぐるみへ叫ぶ。
アサク「来い、ゴーストカード! 【日輪ノ剣】へ幻化してくれ!」
ピエロのぬいぐるみが【日輪ノ剣】へと変身し、剣身から太陽のような輝きを放つ。アサクがこの神剣を振りかざし魔物を迎え撃つが、日の光に当たらないところに入ってしまう途端に、剣の輝きが弱まり、力を失っていく。この時に剣からゴーストカードの声が発した。
ゴーストカード「だめです! 光のないところだと【日輪ノ剣】は力を失ってしまいます! もうすぐ日が落ちます。早く片付けないと!」
アサク「わかってる! すぐ片付けるよ」
アサクが魔獅子の背に飛び乗り、コアへ駆け込む。もうすぐ赤くなるコアを前にして、突然、どこか赤子の鳴き声が聞こえた。声を辿ってみると、コアのすぐ近くにある民家の隅っこに隠れている、赤子を抱えている若い女を見つける。
アサク「やばっ! 間に合わない!」
そう言って、アサクが若い女を、イリヤが赤子を抱き上げて、すぐ村の外へ出ようとしたが、時はすでに遅く、『逆時震盪』が起きてしまった!
強烈な震動波が拡散し、周りの景色も変化し始めて、女は塵となり消えていく。なのにまぜか、イリヤが抱えている赤子はなんの変化も起きなかった。驚きながらもイリヤは悲しく叫ぶ。
イリヤ「みな離れたって言ったのに! なんで!」
アサクが懐に入れてある【不帰ノ羅針盤】をみて、巻き戻された時間はちょうど80年。ゴーストカードがアサクに先にコアを処理しないと危害が広がると進言した。イリヤに赤子を守って村から離れるように指示するが、なぜか赤子が起きてからアサクにすっかりなついて、抱いてもらわないとすぐ泣き出す。仕方なく赤子をおんぶしてコアの封印に手掛けるアサクは、イリヤにお父さんって揶揄された。
アサク「あーもう、うるさい!」
赤子がその怒鳴りで泣き出してしまい、二人が同時に人差し指を口の前にかざして「しー」って言ったらまた静かになった。
アサク「コアを守護する魔王が出てきたな、とどめをさしいこう。さっさと任務を終わらせて帰ろうぜ」
このコアの守護魔王が巨大な食人花で、毒をもつ粘液とつるで攻撃してくる。アサクは行風術を使って攻撃をかわしながら飛んでくるつるを切るが、なかなか近づけてとどめをさせないでいる。
奇妙なことに、赤子は戦いの真っ最中でもまったく暴れず泣かずに、すごく静かだった。
イリヤがさき手懐けた短足イノシシを乗って攻撃を試みるが、魔王が強すぎて逃げ回ることしかできない。
この時にもう日が落ちてすっかり夜になってしまった。
ゴーストカード「やばい! もう日の光が――」
そう叫んですぐ【日輪ノ剣】からもとのぬいぐるみの姿に戻ってしまった。アサクはやむを得ずに【聖印短劍】で迎撃する。
アサク「くそ! 【聖印短劍】じゃ効果がない。吸収した属性の力が弱すぎる、もっと大きな炎じゃないとこいつを燃やせない!」
そして魔獅子に向かって叫ぶ。
アサク「俺に炎の攻撃を三回してくれ!」
魔獅子は宙返りして距離を取り、アサクに向かって、口から巨大なファイヤーボールを吐き出す。
アサクは左手を高く上げて手のひらをかざし、正三角形の魔法陣が魔獅子が放たれたファイヤーボールを吸収した。高いところへ跳んで、すぐ食人花の口の前に駆け込み、左手が拳に握って後ろに引き力を蓄えると、三つのファイヤーボールが一つに集中!
そして手を前にかざし、拳を開けて魔法を放つ。
アサク「正三星陣魔法! 火炎竜巻!!」
猛烈な火炎が食人花を燃やし尽くした。アサクはすぐコアの前に行き、透明な水晶で作られた箱【聖獄ノ籠水晶】を持ち出して、表面に刻み込まれている呪文で封印術を発動する。封印を行う間は魔獣がまた襲い掛かるが、魔獅子が守ってくれたおかげでみな無事だった。
眩しい光が放たれ、結界が築かれた。コアを無事封印したが、周りの景色はもうもとには戻れない、80年前のままだった。
助かった赤子を村人に渡そうとしたが、みな”あいつは悪魔の子だ”と騒ぎだして、誰も引き取ろうとしない。それは、赤子の母親が倫理を反して、父親が誰なのかを明かさずにその子を産んだからだ。赤子はなぜかアサクから離れようとしないし、仕方なく連れて行くことにしたふたり。イリヤは手懐けた短足イノシシとお別れをしてから、【折畳ノ廻廊】を起動し、二人は精霊界へ戻った。
第二章:防ぎきれないこと
神説年暦36722年 8月13日 火曜日 午前十一時
精霊王城の会議室にて会談が行われている。参加するのは精霊聖王・オデロス、オーカ将軍、ハプ司祭、精霊の姫君・ジェフロ、アサク、イリヤ、そして人間界から連れてきた赤子だった。
アサクは片足で跪いて、精霊聖王・オデロスにエデンの村でのできことを報告し、その傍らにイリヤがゆりかごに眠っている赤子をみている。
アサク「ことは以上です。聖王様」
精霊聖王・オデロスがアサクに表を上げようといい、となりのオーカ将軍に見解を求める。すると、オーカ将軍の顔がすこし赤いのを気づき、叱るように言う。
オデロス「そなたたちまさか、昼間から酒を飲んだではあるまいな」
オーカ「そ、それはその、ハプ司祭が造った酒が良すぎて、目覚ましにちょうどいいからで……」
ハプ「オーカ、おぬし……せっかくよい酒を取っておいてやったのに」
聖王オデロスがお怒りの様子で少し咳払いをしたら、周りがしんとなってしまった。それから手を一振りして、ハプ司祭がすぐ注いておいた盃を聖王に渡す。一気に飲み干してまことにうまい!と言ってからまた真顔でアサクに続けようと合図をした。
ジェフロ(不機嫌)「父上までおふざけして!まだ公務が残っているのでは」
オデロス「大事ないよ、精霊界がいつものように平和でのんびりだ」
ジェフロ(手を腰にあてて、呆れる)「もう、少しは危機意識を持たないと!」
アサクが頭を掻いてから、片手を顔に覆いて呆れていう。
アサク(独り言みたいな)「この老いぼれたち、本当に『鏡返ノ核』のことを気にしているのか」
オーカ「我々精霊界はそもそも外界のことを干渉してはならん決まりだが、大賢者聖竜王様が、『逆時震盪』が精霊しか対抗できないからと天神界の神託だといい、聖王様にエデンの村のコアを処理するよう、おまえを指名してな」
アサク「またあの陰謀家の聖竜王?やつの言いなりにならなくだって」
オデロス「天神界のお達しだ、仕方ない」
アサク「くそ……」
このとき、ハプ司祭は赤子に近づき、よく観察する。
ハプ「ふむ、この人間の赤子、『逆時震盪』の影響を受けないとは、確かに不思議だ」
同時にイリアが赤子を包み込んでいる毛布を開けてみると、毛布に<ADAM(アダム)>が書いてあて、赤子の背中に、虹紋章のバースマークがみえた。それに驚いたか、聖王がすぐ近寄って赤子の背中を確認し、オーカ将軍も続いた。
オデロス(文字ごとはっきりと)「なんと……虹、聖者」
オーカ「ではこの赤子こそが新たな虹聖者か、名は……アダム」
ハプ「アサクがエデンの村へ出向くのも奴らの計画通りってわけか。一本取られたわい」
アサク「で、どうすればいいですか。この子ずっと俺にべったりで、起きて俺に抱っこされてないと気づくとすげー泣きわめくんですよ。いっとくけどベビーシスタはいやだからな」
オーカ「待った! アサク、前の二つのコアの出現場所、覚えてるか?」
アサク「一つは妖精界の『時間図書館』で、もう一つが人間界・フィル王国東南部の『フジルス砂漠』です。二箇所ともすでに『逆時震盪』が起きてしまったから、聖王様のご命令とおりに、まだ震盪が起きてないエデンの村へいきました。時間的にいけたはずだったけど、この子を助けたため結局封印が間に合いませんでしたが」
ハプ「人間界に出現した二つのコアとも、フィル王国の近くか、どうも匂うなぁ…」
オデロス「いかん! オーカ将軍、すぐ禁衛軍を集結し戦闘態勢に入りたまえ!」
聖王の指示で、オーカ将軍がすぐ会議室から飛び出し、警報を鳴らす。
アサク「どういうことですか??」
ジェフロ「早く赤子を守って」
イリアすぐまだ眠っているアダムを胸に抱きしめた。
ハプ「これは、とんだ企みだ! 『逆時震盪』を利用し、『時間図書館』で偽りの歴史を作り、『フジルス砂漠』にて過去に存在した『ミラージュレーク』を呼び戻した。そしてこの子はやつの手駒…震盪の影響をうけないとわかっててあそこに置いた。おぬしがこの子を連れて【折畳ノ廻廊】で精霊界に戻ることで、震盪の痕跡が残り、もともとコアが侵入不可能の精霊界に隙間が生じてしまったのだ」
まさにその時、急にとどろきのような音が響いて、精霊王城が地震でも起きたように揺らいだ。
ハプ「この子が起きて騒ぎだしたら見つかってしまう。わしが深い眠りにつくように術をかけとくよ。イリア、アダムは任せたぞ。アサクは早く敵襲に対応しろ!」
イリア「了解いたしました。ちゃんと守って見せます」
アサク「そこまで深刻ですか! すぐ向かいます! ゴーストカード、魔獅子、ついてこい!」
二人の従士を召喚して、三人はすぐ音がした場所へ急いだ。着いた時には精霊王城正殿の真上に時空の裂け目ぽっかり空いてしまい、すでに大量の魔物が湧き出している!手前にオーカ将軍が禁衛軍を率いて応戦してるところだった。
アサク「なんてことだ!」
アサクはすぐゴーストカードに【日輪ノ剣】に変身させ、魔獅子とともに戦いに加わった。聖王オデロスもジェフロを連れて正殿に到着。二人の周りには禁衛軍が守りを固めている。同時に、九尾妖狐が時空の裂け目から正殿へと降りってくる。
九尾妖狐「あらまあ…ふふ、美しきあたしをこんなにも大勢で出迎えてくれたのかい、うれしいねぇ、さあ、情熱的な歓声をあげなさい」
アサク「この変態野郎!」
その時、全域空間防御を担う精霊兵士より報告が届いた。
精霊兵士「報告! 聖王様、精霊聖地にて『鏡返ノ核』が出現!」
聖王オデロスがすぐ聖地を守るようにオーカ将軍に指示し、正殿の魔物が聖地に行けないようにと一部の禁衛軍兵士を残し、後をアサクに任せて、その場を立とうとしたが……
ジェフロ「わたくしは残ってアサクに協力するわ!」
オデロス「だめだ! すぐオーカ将軍に続いて聖地へ向かいたまえ」
聖王オデロスがオーカ将軍、ジェフロとイリアを率いて正殿後方にある廊下を通り、精霊聖地へ向かう。
正殿に現れた魔物たちがアサクと近衛軍に着々と退治されていくが、なぜか九尾妖狐がまるで見世物を見ているようにびくとも動かないまま、やがて魔物が彼だけとなった。
九尾妖狐(高笑いして)「スポットライトはあたしだけを照らすものよ。どう? スーパースターみたく輝いているでしょ」
そう言って突然と手を上げ、強い衝撃波を放つ。
精霊禁衛軍を守ろうと、アサクはすぐみなを庇うように最前列に出て、全身から聖光を放ち、【獅幻神裝】を纏って九尾妖狐の攻撃を受け流した。
左従者のゴーストカードが変身した【日輪ノ剣】を手にかまい、右従者の魔獅子が変身した【獅幻神裝】を纏った姿こそ、アサクの完全なる武装なのだ。
アサク(禁衛軍に向かって)「おんたたちはもう聖地に向かってくれ、ここは俺に任せろ!」
禁衛軍兵士「了解しました!」
返事した禁衛軍の兵士たちはすぐさま聖地へと駆け付ける。
九尾妖狐「あたしは、鏡界から降臨した陰魔六将軍、名は九尾妖狐。親しくして~“九ちゃん”って呼んでもいいのよ。さすが天神界の力を得た者ね、アサク。神と精霊の融合体か、本~当、反則よね」
アサク「なんなんだおんたは! 九ちゃんとか、誰が呼ぶか! あいにくこっちは遊んでる暇ないんだな、今片付けてやる!」
九尾妖狐「さて、君ごときで、このあたしに勝てるかしら?うふふ……」
笑い声を発したと思えば、もうアサクの目の前に瞬間移動して、攻撃をかまってきた!
九尾妖狐の攻撃が思ったよりも重く、全身武装した状態のアサクでも、【日輪ノ剣】で攻撃を受け流しながら陣魔法で魔法攻撃を吸収して反撃をするが、どうも苦戦に陥ってしまう。幸い、【獅幻神裝】の防御でなんとか保つことができた。
素早く動きながら攻撃してくる九尾妖狐は余裕ありげに笑いかけてくる。
九尾妖狐「はははっ、神と融合したせいで、もともと持ってた精霊の力を失って、元素魔法が使えなくなったのね。それで受けたものを吸収して反撃に使うしかなくなったわけか。なるほど、これはこれは、神様って意地悪いねー、はははは」
アサク「なんでそこまで俺に詳しいんだよ!?」
九尾妖狐「それは~愛してるから♥だよ(ウィンク)」
アサク「気持ち悪っ!」
九本の尾が一斉に伸び、九尾妖狐がセクターなポーズを取ってこう言った。
九尾妖狐「さあ、あたしのすべての愛を乗せる、最強の一撃をうけてごらんなさい♥」
先と比べものにならないほどの莫大な魔力が九尾妖狐の体に集中していると感じたアサクは、この一撃で勝負がきまるとわかった。
アサク(テレパシーでゴーストカードと魔獅子に)「あれを使うしかない」
ゴーストカード(テレパシー)「マスター、本当に使いますか? まだ完全に使いこなせてないのに、発動した後力が抜けて、いつ回復できるか分からないのですよ!」
魔獅子(テレパシー)「でも確かにそうするしかなさそうです。自分ももう攻撃を受けきれません。まずはやつ倒すことを考えましょう。そのあとは自分たちがマスターを守ります」
心で会話をかわす僅かな間に、九尾妖狐はもう力を整えて、技をぶつけてくる!
九尾妖狐「九重狐撃・滅骸破!!」
まさに同時に、アサクは宙返りして背中から天使と精霊の翼が生えてきて、【七属性ノ鍵】がアサクを中心に飛び回り聖光を放ちながら、七本の巨剣となる。
アサク「俺にはまだ神の力がある! 七鍵衝殺陣!!」
互いの大技が宙にぶつけ合い、九尾妖狐が避けきれずに重傷を負い、間一髪で時空の裂け目を通って鏡界へ逃げ帰って、あまりの強力で精霊王城もほとんど壊滅してしまった。
ゴーストカードと魔獅子が変身を解いてもとの姿に戻り、アサクも技の影響で全身の力が抜けてしまって、意識はちゃんとしてるが、もうまったく動けない状態だ。魔獅子はアサクを背負ってゴーストカードとともに精霊聖地へ向かう。
これで、数万年以来一度も侵入を許したことがないと誇る精霊界も、正式に破られてしまったのだ。
精霊聖地に着くとそこに『鏡返ノ核』が中央の祭壇に現れていて、聖王オデロスが部下たちを率いて湧き出している魔物たちと戦っている姿がみえたが、すでに力が残されていないアサクには何もできない。
アサク「どうしてハプ司祭が、早くコアを封印しないんだ?」
第三章:永凍絶界
神説年暦36722年 8月13日 火曜日 午後二時
精霊界で最も重要な場所『精霊聖地』に、『鏡返ノ核』が出現、ハプ司祭がコアの近くにいながら、魔物ばかりかまっていてコアを封印しようとしない様子。
魔獅子がアサクをハプ司祭のとなりまで連れいった。
アサク(虚弱)「どうしてすぐコアを封印しないんですか。【聖獄ノ籠水晶】をくれたのはあなたなのに……」
ハプ司祭「【聖獄ノ籠水晶】は聖竜王が天神界から持ってきたもの、おぬししか使えないといいおった。だから、コアを封印する任務をおぬしに与えたのだよ」
アサク(虚弱)「そんな……俺はもう、【聖獄ノ籠水晶】を発動する力も残されてない。まさか『逆時震盪』で精霊聖地が破壊されるのをただ見るしかできないというんですか」
ハプ司祭「とにかく休んで、少しでも回復に努めるのじゃ」
この時、イリアが泣きながらこちらに走ってきた。
イリア「うう……黒マントの男にアダムを奪い去らわれてしまいました。イリアでは全然太刀打ちできなかったの。ごめんなさい、イリアのせいだわ、どうしよう……」
アサク「あなたは悪くねえよ、もう泣くな」
ハプ司祭「精霊界に来てアダムを奪うことも、やつの計画の一環なんじゃろうな」
オーカ将軍が精霊禁衛軍を率いて攻撃の陣を組んでコア周辺にいる魔物たちに反撃を繰り返し、聖王オデロスがコアの真上に雷撃の術をかけてコアを打ち砕こうとするが、まったくの徒労だった。
この時に、強い黒き光が聖地の高台から放て時空の裂け目を作り、その中から黒竜に乗っている騎士の姿が現れた。彼は響き渡る声でいう。
フィリップス「俺様は陰魔二将軍、フィリップスだ。鏡界を代表し、正式に精霊界に宣戦布告を告げる!」
このフィリップスと名乗った黒竜を乗る騎士から放たれる特殊な魔力に、ただならぬ恐怖を感じたかのように、周りの魔物たちがみな身動きがとれなくなっている。
アサク・オーカ「これは! 失踪した風族の精霊・サルの霊力!?」
アサク「どうしてあいつから精霊の力を感じるんだ!」
オーカ「いや、正しくは風属性の精霊の力と闇属性の魔力が混ざり合っている強大の力だ! この精霊界では相手になれる人いないかもしれん」
オデロス「……」
フィリップス将軍が手を振ると、黒竜から強い竜巻が襲ってくる。精霊禁衛軍軍団の大半が竜巻の勢いに耐えきれず吹き飛ばされ、何人か苦労して防御術を立ち上げて対抗しようにもあまり効果が見られない中、なぜかジェフロにだけまったく影響がなく、すこしもダメージを受けていない。その様子をみて、聖王オデロスはすぐみなに指示をだす。
オデロス「ジェフロ姫の後ろに隠れろ!」
精霊軍団が群れとなってジェフロの後ろにくっついて、ジェフロが移動すると軍団も続いてくという、なんとまあ奇妙な絵面になった。
ジェフロ「どうして私の後ろに隠れるのよ。私はあのフィリップス将軍というやからを懲らしめにいきたいの!」
そういって奔ろうとするけど、姫が動いてしまうとみな吹き飛ばされるからと、周りに止められる。
ジェフロにだけ起きるこの現象に気づき、フィリップス将軍が急に激動した様子でジェフロに駆けてくる。みながジェフロをかばおうとする時に、まさかの攻撃ではなく、フィリップス将軍がジェフロを抱き込んで強引にキスした。その場にいる全員が目の前に起きたことに驚いていると、軍団に襲い掛かる竜巻もフィリップス将軍のこの行動でやんだのだ。
ジェフロが我に返って顔を真っ赤にし、怒りと恥ずかしさが混ざり合い、フィリップス将軍を突き出して、ぱっとビンタを食らわせた。
ジェフロ「この……不届き者! この私に無理やりキ、キスするなど! 何様のつもり!」
赤くなる頬に手を当て、ガッカリした様子でフィリップス将軍はいう。
フィリップス「君は…忘れたのか……」
そしてすぐ近寄った黒竜に乗り、高く飛んで離れた。
遠くに離れていくフィリップスの後ろ姿を見て、ジェフロはなぜか、胸が悶々と締め付けられる気がした。指で先強引に奪われた唇を撫でてみると、涙が勝手に流れてくる。
ジェフロ(心の声)「この悲しい感情はいったい……?」
フィリップス将軍が精霊軍団の表に戻り、大声で言い放つ
フィリップス「精霊界の最強のものを出してこい!」
すると、オーカ将軍が陣から高く上へ跳んで、マウントであるグリフォンを召喚して背中に乗り、フィリップス将軍と対峙する形になる。
オーカ「俺はオーカ将軍じゃ。精霊界最強の守護者が相手してやる」
フィリップス「ほう、この時をずっと待っていたぞ。やっとオーカ将軍とやり合う機会がきたか」
オーカ「一つ、疑問に答えてもらおうか」
フィリップス「ふんっ、二つとも答えてやるよ。一つ、そう、俺様そこが、かつて失踪した風族の精霊・サル。二つは……お前らが知ってるサル、もともと二人いたのだ。一人が精霊界に、一人が鏡界にいる。だが、俺様の本当の名は、フィリップスだ」
すでに弱っているアサクをちらっと目をやり、フィリップスは続いてこういった。
フィリップス「そのアサクと同じ、”ダブルフェース”をもっている」
オーカ「なんだと!」
アサク(心)「”ダブルフェース”……ってなんだ?」
この時、ゴーストカードがフィリップス将軍が身につける剣をみて、慌ててアサクに話しかける。
ゴーストカード「大変です。あの人、【月輪ノ剣】を持っています!」
アサク「そんな、まさか」
ゴーストカード「僕のセンサに間違いはありません。なぜなら僕と【月輪ノ剣】は、セットのゴーストカードだからです!でも、なぜあの人が【月輪ノ剣】を持っているんでしょうか」
フィリップス「国としての挨拶はここまでにしょう。そろそろ戦いを始めようか、まずは……」
フィリップス将軍が指を鳴らすと、精霊聖地に現れたコアが急に色が変わって、『逆時震盪』を引き起こす状態になった!アサクを含めて精霊族の全員が、自分の目を疑わずにいられない!
アサク「あいつ! 『逆時震盪』を加速させやがった!!! 早くコアを封印しなきゃ!」
でも依然と体力がもどらないままのアサクは、魔獅子の背中から降りる気力もない。
アサク(魔獅子に)「コアに触れるように、近づけてくれ」
魔獅子は指示に従ってコアのすぐそばまで近づけて、ゴーストカードがアサクの右手を支えて、コアに触れた。触れた瞬間に、コアの色の変化が明らかに遅くなったものの、アサクが冷や汗をかいてひどく苦しい表情をしている。
ハプ「よせ、アサク。それでは封印は無理じゃ、ただの時間稼ぎにしかならんし、そのままだとおぬしが力尽きでしんじまう!」
アサク「ただの時間稼ぎでもいい、もう、今の俺にはこれしか…」
するとイリアが自分の手をアサクの手に重ねた。
イリア「イリアも、お兄さんと一緒に精霊界を守ります!」
アサク(頭を少し下に向いて)「ああ」
オーカ将軍がグリフォンに乗ってフィリップス将軍へ突撃をかける。二つの世界での最強戦力を持つ男たちの対決は激しく繰り広げられて、交わる攻撃の震動波で近くにいる魔物も、一騎打ちを見守る精霊軍団も痺れさせられて、ただその場に動けずにいた。
長い戦いとともに時間が過ぎ去り、アサクもそろそろ限界を迎えてしまう。
フィリップス(オデロスに向かって)「精霊聖王よ、一つ教えてやろうか。この【鏡返ノ核】に設定されたタイムリープの時間は、ちょうど1000精霊年前だよ(人間界約41年)! そう、その精霊八大族の時代に!」
フィリップス将軍の言葉で、精霊族のみなが一気に顔が青ざめた。
オーカ「好き勝手にはさせん。混沌極まりないの1000精霊年前などに戻ってしまったら、今の世界線の神説大陸の全面的壊滅を招いてしまう!」
オーカ将軍が奥手の” 圓気裂衝砲”を発動しようと同時に、まさかのフィリップス将軍も、同じ大技をかけて決着をつけようとした。
オーカ「ほう、おまえは確か、俺のまなでしの精霊界のサルだな!」
が、それを聞いたフィリップス将軍はただ微笑んで、答えようとしなかった。
二つの技がぶつけ合うと同時に、アサクとイリアの力ももうコアを抑えることができなくなり、コアが鮮やかな赤色を放ち、『逆時震盪』はまさに引き起こされようとしていた時に。
オデロス「精霊界の王として、精霊界をいまここに壊滅させるわけにはいかん。すべての空族精霊よ、集結し伝送陣を発動せよ!」
空族精霊たちがすぐさま伝送魔法を発動する。
オデロス(オーカ将軍とハプ司祭に向かって)「精霊界を守りたまえ!」
オーカ将軍とハプ司祭はすぐ聖王オデロスのもとに駆け付けた。
ハプ(アサクに向かって)「いけ! できるだけ遠くへ逃げるのじゃ!」
聖王オデロスが手のひらに特殊のトーテムをかけると、トーテムが一匹の鷹となり、地中に向かって飛び潜った。そしてオーカ将軍とハプ司祭に頷きで合図をして……精霊界最大な封印術を発動する。
オデロス・オーカ・ハプ「永凍絕界!!」
『逆時震盪』が始まる頃に、空族の伝送魔法も発動した。
フィリップス「くそ! 精霊界ごと時間を凍結しようだと! 俺様はこんなところに閉じ込められたりはしない!」
そういってすぐ時空の裂け目を開けたが、ジェフロを一目みてから裂け目に入って姿を消した。
『逆時震盪』は永凍絕界によって止められてが、同時に伝送陣も停止してしまい、すべての精霊を伝送することはなく、アサクは幸運にも、伝送で逃げることができた。その瞬間に、ハプ司祭の声が聞こえた。
ハプ「精霊界を救うのには、精霊女王アランダを見つけるしかない。頼んだぞ、アサク」
アサクは涙が止まらないまま、伝送通路に入り、そのまま気絶した。
この戦いの末、精霊界の時間は止まったままになり、誰も入ることができず、そして、誰も出られなくなってしまったのだ。
第四章:人魚之淚
神説年暦36722年 8月19日 月曜日 午前十時
目覚めたアサクが初めに聞こえたのが、ゴーストカード、魔獅子とイリアの三人の声だった。
ゴーストカード、魔獅子、イリア「よかった!」
ゴーストカード「マスター! やっとお目覚めですか!」
イリア「もうーお兄さん! 二度と目覚めないかと心配したんだから!」
アサク「俺は……大丈夫だ。ここどこだ?」
ゴーストカード「僕たちは幻獣界の人魚国に伝送されたのです。女王様がこのお部屋を手配してくださいました!まさか一週間も眠り続けるとはな」
周りを見渡してみたら、さんさんと輝く日の光が水を通して照らしてるとても暖かい部屋だが、どう見ても女性の部屋だ。
ゴーストカード「人魚国には女性しかいませんからね」
アサク「ええ……」
アサクの身の周りにたくさんの花が飾っている。
アサク「で、この花はいったい……」
ゴーストカード(肩を軽くすくめてニヤっと)「マスターのファンたちから送られてきたものです。もう人魚国丸ごと虜にしちゃってるくらい大騒ぎですよ。お見舞いといって花を何度も持ってくる子もいます。なにせ女王様が自ら『美しき眠りの精霊王子』という異名をつけちゃうくらいですからね……」
魔獅子が顔をそらして笑いをこらえている。
そのとき、外から雑踏とした人の声がしてきた。ゴーストカードが、もう起きたってバレたら大変な目に合うから、早く寝たふりをするようにとアサクに合図し、ぬいぐるみのふりをした。アサクが横になって寝たふりをすると、やはり十何人の人魚の女の子がプレゼントと花をもって部屋に入ろうとする。魔獅子がすぐ姿をけして入口を塞ごうとしたが意味がなく、女の子たちが部屋に駆け込んできて、祝福を込めてアサクの頬にキスして、わいわいとはしゃいでからやっと部屋をでた。
皆出た後、アサクは起き上がり、キスされた頬を少し撫で顔を赤くして、満足しそうに笑った。それをみて、隣のイリアは不機嫌そうに口を尖らせた。
ゴーストカード(アサクの頭に一発殴って)「しっかりしなさい!」
アサク「俺見世物じゃねえし。早くここを出て情報を探そう」
イリア「お兄さん今や『美しき眠りの精霊王子』ですから、そのまま外にでると騒ぎになっちゃいます。イリアが変装して差し上げますわ」
人魚国は結界によっと海の中に沈んでいる王国で、結界の中なら、地上と同じように呼吸ができるところ。
この日、大通りに変な歩き方をする一人の人魚(?)の女性(?)がいた。そう、それはまさに、髪型を変えて化粧もし、方にピエロのぬいぐるみを乗せたメイド服姿のアサクだ。その隣に人魚に成りすましたイリアと、術で姿を消した魔獅子。
アサク「なんで俺が女装しなくちゃならねえんだよ! 不格好だし、下スースーするし!」
イリア(笑いながら)「パンツを履かないからでしょう」
アサク「女のパンツなんてぜってー嫌だ!」
ゴーストカード「こうでもしないと、街中で正体ばれたら、何千何万の人魚の女の子が寄せてきますよ」
魔獅子「さすがにそんな大勢は止められませんな」
アサク「ここ一体どうなってんだよ。空気もすごく濁ってる気するし、風もない、なんか変な感じ」
ゴーストカード「人魚国は昔からとても排外的で、特に同じ幻獣界の百獣国とは敵対関係です。僕も魔獅子も百獣国の民なので、気付かれないようにしないといけません。人魚国は精霊界との関係がとても良いと聞きます。それで、こちらに伝送されたかもしれません」
二人が会話している間に、イリアがすれ違った天使魚と交流し始める。
アサク「魚と話してんの?」
イリア「イリアはすべての生き物と意識疎通ができるのです。かわいい子をみたんら友達になりたくなるんですよ。」
アサク「俺はゴーストカードと魔獅子としか話せねえから」
この時、向かいに何人のメイドを連れて歩く貴婦人らしきの女性がアサクをしげしげと観察する。今にもバレたかとはらはらする二人だが……貴婦人はイリアを眼中にない様子でアサクに話しかける。
貴婦人「あら、ちょっと胸が足りないけど、なかなかじゃないの~あなた、名は何という?どちらの使いなの?」
アサク「お、おそれいります。あ、アクリアといいます。えっと、マダムメールに仕えております」
貴婦人「なんと! あなたのような美人が、あのメールに仕えてるなんて、もったいないわ!」
貴婦人すぐ懐からパールを十個取り出してアサクに渡してこういう。
貴婦人「はい、持って、これは前金よ。すぐあのばばあのところを出て。明日からヴィタリス公爵邸に来なさい」
勝手に言い終わると、パールを手にしてポカンとした顔のアサクたちをお構いなしに、メイドたちを連れてその場を去っていった。
アサク「おっぱい足りないとか……」
イリア「アクリアって……ははははは~女装でもお気に入りされちゃって、すごいですわお兄さん!しかも、デタラメに言ったのに、まさか本当にマダムメールがいるなんて、はははは」
となりにいる魔獅子がもう笑いすぎて腰がぬけそうだ。
アサク「笑う場合か! 大事な任務があるんだぞ! コアがどうなってるわかんないし、ハプ司祭が精霊女王を見つけて精霊界を救えと俺に言ったんだ。メイドごっこしてられるかつうの!」
ちょうどおなかが鳴ったから、近くのレストランが見えて、とりあえず腹ごしらえをしようと店に入った。イリアが天使魚とバイバイして、アサクと一緒に一番目立たない隅っこの席に座ると、メニューに目を通す。
アサク(メシューを見て)「ワンセットでパール一つ!?」
ゴーストカード(すぐアサクの口をふさぐ)「しー、大声出さないでください。嫌なら女王様が用意してくださった部屋にお戻りになれば?なんでも使い放題ですよ」
アサク(プルプルと)「ぜってーやだ。(ちょっと恥ずかしく)まあ女の子にモテるのは悪い気しないけど…」
イリア(一発殴って)「お兄さんのスケベ!」
店員「お決まりですか」
アサク「セットを四つくれ」
店員「お二人でそんなに? 本当にたべられますか?」
アサク「大丈夫。食べられるよ」
店員「かしこまりました。ではパール四つ、いただきました。すぐご用意いたしますね」
食事が運ばれたら、アサクは飲み込むようにパクパクと食べて、ゴーストカードと魔獅子はテーブルの一角にコッソリと食べた。
アサク「俺たちはやく人魚国から出るべきだと思う。百獣国へ行って俺の友人のブラッド国王に助けをもとめよう」
魔獅子「そうはいっても、人魚国では【折畳ノ廻廊】の使用を禁止してるから伝送は無理です。地上の百獣国へ行くのには連結通路を通らなければならないが、もちろん警備がつけてるから、人魚女王の許しがないと通してもらえないんじゃ…」
イリア「それに、何の挨拶もなしに消えるなんて、失礼極まりないことですわ。ここはやはり一度女王様にお礼を申し上げに謁見をした方がいいとイリアは思います。」
ゴーストカード「人魚国と精霊界とは交流がありますが、わざわざ『美しき眠りの精霊王子』なんてマスターの存在を宣伝することに、なにか良からぬ意図を感じます。」
アサク「でもなぁ、戻らないとすると、金を稼がなきゃだな……」
イリア(笑いながら)「お兄さんにメイドになって、イリアたちを養っていただくしかほかありませんね」
ゴーストカード・魔獅子「そうですね」
アサク「なんで俺ばっかりー」
楽しい会話の中で、誰もすでに人魚兵士に囲まれたことに気づかなかった。
人魚兵士「精霊界からきた高貴なる友よ、ご相談があるので王城へと、女王陛下直々のお誘いでございます。」
アサク「あ、見つかっちゃったか」
人魚国王城へ移動する途中でも、熱心のファンたちが道の両サイドを囲んでアサクに“精霊王子さま、愛してる”なんて歓声を上げていた。
夜の人魚国王城にて、案内された正殿では、人魚女王が王座に座っていて、アサクたちの到着を待っていた。二人は一礼する。
アサク「女王陛下、精霊界のアサクと申します。貴国に来たのはその、事故によることでして、どうかお許しください」
ミカナ「わたくしが人魚国女王・ミカナと申す。付き人の二人も、姿を現すがよい」
ゴーストカードと魔獅子は一斉に術を解いて現し、女王に跪いて挨拶を。
ゴーストカード・魔獅子「ご無礼をお許しください」
ミカナ「よい。状況はわかっている。皆のもの、もう去るがよい」
そして正殿には、アサクたちと女王だけが残っている。
ミカナ「わたくしに着いてまいれ」
女王がアサクたちを宮殿にあるガーデンの一角へ連れてきた。
ミカナ「静かに見ておれ、そして何があっても、アサク、わたくしに合わせておくれ」
どういう意味かさっぱりだが、アサクは了承した。
この時、ガーデンに若い女性が歩き出て、上から真っ白な髪をした精霊らしき男が、女性の前に舞い降りてきた。二人は愛情深くに見つめ合い、男が貝殻とクリスタルで飾った花束を取り出して、女性に話しかける。
白髪の男「人魚姫・ユリア、どうか、俺と結婚してくれ」
ユリア(首を振りながら)「フルフィ様、ごめんなさい。婚約はお母さまにお許しを請わなければ、お約束できませんの」
白髪の男(手を引き)「ならば駆け落ちだ!」
ユリア(もう一度首を強くふる)「私もあなた様をお慕い申し上げておりますが、そのようなことは許されませんわ」
フルフィが強引にユリアを連れて行こうとすると、ミカナ女王が影から出た。
ミカナ「この無礼者、娘からその手を離し、今すぐ立ち去れ!」
フルフィ「女王だからって俺が怖気づくとでも思うのか。本気で暴れたら、この人魚国では俺に勝てるやつなんかいないぞ」
ミカナ「さぞ傲慢とみえる。まあ確かに、わが人魚国は、強いおのこを国王にし国を守ってもらう必要があるが」
フルフィ「はは、それって俺たちの婚約を認めるってことだろう?」
ミカナ「国王は実力と美しさを備える随一のおのこでしかなれぬ」
フルフィ「それはそれは、お褒めに預かり光栄だ、女王陛下」
ミカナ「否、その資格があるのは、そなただけではない。最近王国にいらっしゃった『美しき眠りの精霊王子』が、そなたより容貌が優れて、国民に愛されているのだ」
そう言って、アサクが隠れている物陰に指をさした。
アサクは仕方なく出てきて、どうにもかたくるしい感じで言う。
アサク「俺こそ、真の国王になれる精霊王子だ。貴様、俺をみてさっさと恥じ入って消えるといい」
フルフィ「ならばやってみようじゃないか、誰が勝つか定かではないぞ。な?精霊族のアサク」
アサク「! なんで俺を知ってる??」
フルフィ「……」
ミカナ(一度手を叩く)「もうよい、口喧嘩はおよし。女王たるもの、公正公平でなくてはな。ならば、正式に試合を行うことにしよう。勝つほうが、ユリアの夫となり国王になる。」
アサク「なんだって!?」
フルフィ「のった! いつだ?」
ミカナ「三日後、人魚国のコロシアムにて。」
ユリア「お母さま! なぜそのような勝手な約束を……あんまりです!」
悲しむユリアは泣きながら走っていった。
フルフィ「首洗って待ってろ」
そして飛び立って夜の空に消えた。
アサク・ゴーストカード・魔獅子「はめられた……」
女王は静かに頷いて微笑みをみせた。
正殿に戻ると、アサクがトンと床に座り、とても不機嫌な様子だ。
ミカナ「すまなかった。がしかし、それも無礼を承知で仕方なくしたことなのだ。なにせ、人魚国にはもはや幻獣であるあやつを止めるのに十分な力を持たぬからのお」
アサク「幻獣?フルフィのことですか、女王陛下」
ミカナ「いかにも。あやつが幻獣界百獣国『幻化部族』狐の一族のもの。人魚の民は決して百獣国のものと結ばれてはならぬのだ」
魔獅子「今の幻獣界では三大国が均衡の敵対状態にあります。ゴーストカードと自分も、囚われてないだけでも幸いってくらいです」
アサク「でも、人魚国って軍備がそこまで弱まってますか。それに二人が愛し合ってるのなら、別に硬く掟を守らなくても」
女王が立ち上がり、王笏で王座の真上を指すと、天井が突然崩れて、その奥にあるのは……
アサク「鏡返ノ核!? しかももう真っ赤で……すでに震盪が発生した!」
すぐ【不帰ノ羅針盤】を取り出して、巻き戻された時間を測るが、なんの変化も見られない!つまり、人魚国が『逆時震盪』の影響を受けなかったことになるが、ありえない。一体どういうことだろうと、アサクは驚きを隠せない。
その時、大量の魔物がコアから湧き出して、みなすぐ戦闘態勢に入る。その中の一匹が女王に襲い掛かる。
イリア「陛下! 危ない!」
驚くことに、魔物が女王の体を触れることなく、そのまま通ったのだ。
ミカナ「心配ない。精霊アサクよ、この鏡返ノ核を封印してもらえぬか」
アサク「わかりました!」
仲間の援護でコアに近づけて、【聖獄ノ籠】で封印を成功すると、呪縛から解き放ったように、今まで人魚国を覆う濁った空気が一気に晴れた。
再び王座に座り、女王はことの真相を語り始める。
ミカナ「コアが出現したのが半年前のこと。我が人魚国軍隊の総出でも、魔物の軍勢には太刀打ちできなかった。そして、『逆時震盪』が起きたのだ」
アサク「ではなぜ時間の変化が測れなかったのですか?」
ミカナ「それは巻き戻された時間の長さが130年がゆえ。130年前、人魚国はこの深い海の底ではなく、ちょうどここから真上の島にあった。海に沈んだのが30年ほど前のこと」
ゴーストカード「てことは、震盪のせいで130年前の人魚国が今再びそこで現れたってことですか」
ミカナ「そうじゃ」
アサク「じゃ震盪の後…ここは……」
ミカナ「消し去られてしまったよ、なにもかも。今そなたたちが見るすべてが思念体だ。それでも、我々は今もこのように、ここにおる。」
左耳に飾ってる雫の形をした耳飾りを取り、女王は続けた。
ミカナ「これは人魚国の国宝・【人魚ノ涙】というもの。『逆時震盪』の際に引き起こされた全国民の恐怖と悲しみが、【人魚ノ涙】の力を発動させた。」
アサク(悲しむ)「今目の前の女王陛下も、ここにきてから見た人魚たちもみな……【人魚ノ涙】の力によって保存された魂ですね……」
イリアがもうこえずに泣き出している。
ミカナ「心優しき精霊、アサクよ。わたくしは、ユリアとフルフィの愛を、婚約を認めぬわけではない、できぬのだ。そうさせてしまったら、ユリアも民もみな、国が滅んだこと、自分がもうこの世にいないことを思い出してしまう。どうかこの秘密を、守っておくれ」
二人は涙を流しながら頷いた。
ミカナ「芝居でもよい。フルフィを破り、ユリアと結婚し新たなる国王になって、民に希望を与えてやっておくれ。そしたら【人魚ノ涙】も役目を遂げ、人魚国は幸せ満ちる中で消える。これがわたくしの最後の願い、手伝ってくれるかい」
アサクは黙ったまま頷き、イリアが王城に響き渡るくらい大泣きをした……
三日後。
人魚国のコロシアムは人で賑わっている。ほぼ全国の人がここに集まって、人魚の姫君の夫を決める試合を楽しみに待っているのだ。
用意を済ましたアサクはゆっくりと、会場へ続く廊下を通り、コロシアムに入る。
第五章:幸せの微笑み
神説年暦36722年 8月22日 木曜日 午前十時
ほぼ全国の人が集まったコロシアムでは、熱烈な歓声が上がっている。今日の試合で、ユリア姫の夫となる、新たなる国王が決まるのだ。みなの期待の中で、試合が始まった。
アサクとフルフィはリングの中央に立っている。すでに対峙する二人だが、表情から気持ちの差がうかがえる。今にも暴れ出しそうに興奮しているフルフィに比べて、アサクはどこか悲しみを漂う感じだ。アサクが女王に一目をやると、女王が軽く頷いた。その左には泣き止まないユリア姫に、右がイリアが座っている。
法螺貝を吹き鳴らす音がコロシアムに響き渡り、試合開始!
フルフィが手にエネルギーで形成された槍で襲い掛かり、アサクはゴーストカードと魔獅子の力で武装状態で構える。【日輪ノ剣】と【光ノ槍】がぶつかり合い、火花を放つ。一進一退の攻防戦はどちらも譲らない気合だ。この時、フルフィが“光剣魔法”で攻め寄せてきて、驚いたアサクはすぐ左手のシールドで防御した。
アサク「! 見間違いじゃねえよな、あれは俺の光剣魔法だよね?」
魔獅子「はい、確かに、光剣魔法です」
フルフィ「あれ、おかしいな。アサク、お前魔法が得意じゃなかったっけ?なんで剣ばっかり使うんだ?魔法はどうした?」
アサク「う……」
ゴーストカード「マスター! このフルフィ、なぜか懐かしい気がします。きっと僕たちが知ってるものです。」
フルフィ「面白くなってきたな。んじゃ、遠慮なくいくぜ!」
手のひらからどんどん光剣魔法を打ち、同時にアサクに向かって突進して【光ノ槍】を突き刺す!
アサクは右手に持つ【日輪ノ剣】で【光ノ槍】を受け止め、左手に正三星陣魔法を自分に向かってきた光剣を吸収しようとしたが、三発までしか容量がなく、やはり何発はくらってしまった。そして体を捻り三星陣魔法“極光聖破”を出した!この攻撃を予想できなかったフルフィは間一髪でこの攻撃を避けたが、余裕を与えずに続いて【日輪ノ剣】を振って出された“陽輝閃撃”の挟み撃ちについに負傷、慌ててアサクとの距離を引き離した。
フルフィ「やるじゃないか、でも光属性の魔法攻撃は、同じ属性の俺には効果が出ないぞ。吸収での反撃だけじゃ、俺を倒せない!」
そういって、真っ白な長い髪を持つ精霊の少年の姿が歪み、巨大な白いキツネと変身した!そして周りに同じく白いコギツネが何匹も一緒に現れた。
アサク「うっ、俺キツネ苦手なんだけど……」
コロシアムに悲鳴があちこちから聞こえてくる。人魚国の人たちが逃げ回り、愛する人が異形のものに変貌したのを目の当たりにしたユリアは恐怖で戸惑っていると、これそこがフルフィの真の姿だと女王に告げられ、騙されたと思わず涙がこぼれる。
巨大な体と尾を駆使して攻撃してくるフルフィ。魔法による攻めも止まらず “星雲貫通銃”を出した時、アサクはゴーストカードと魔獅子を離して、両手同時に正三星と逆三星陣魔法を発動し、フルフィが放つすべての光の矢を吸収した。
空中に高く飛んで、両手の手のひらを合わせて、左には正三星の陣、右には逆三星の陣、天地印結!両手の陣魔法が一つになり、光の六星陣魔法を放つ!!
アサク「霸・極光殺陣!!」
全方位からの光剣がフルフィに襲い掛かった。同じ属性だと効果が弱まるが、無数の剣陣でフルフィがバランスを崩したそのすきに――
アサク「こい!【日輪ノ剣】!」
ゴーストカードが変身した【日輪ノ剣】を右手に握って、フルフィの頭の上に飛び乗り、剣のさきを脳天に打ち込みとする時、魔獅子が突然アサクを止めた。
アサク「魔獅子?」
ゴーストカードも変身を解けてアサクにやめるように願った。
アサク「なんで止めるんだ?」
ゴーストカード「フルフィが誰なのか、まだわからないのですか、マスター」
その時、力尽きたフルフィが倒れて、本当の姿――一匹の小さな白いキツネに戻った。
イリア「かわいいですわ!」
ユリア「その姿なら、いいかも……」
女王の睨みで二人はすぐ口をつむいだ。
フルフィ(アサクに跪いて)「強きものに従いしもべとなりて、われここに契約を結ぶことを誓う」
そしてフルフィの体が無数の光の粒子になり、アサクの手のひらに集中すると、ゆっくりと槍の形になった。
アサク「これは…【光ノ槍】だ! 俺が小さな頃に失くしたあの【光ノ槍】だ!」
【光ノ槍】を高く掲げて勝利のポーズをすると、コロシアムに喝采が沸いた。
ミカナ「これにて、アサクを我が国の新たなる国王、わが娘・ユリアの夫となる。さあ、みなのもの、祝言の用意じゃ」
夜、用意された部屋で休むアサクたち。
アサク「あの時、精霊界の『嘯きの谷』から人魚国に流されてたんだ。で、震盪の影響で【光ノ槍】の封印が解かれて幻獣の姿を取り戻したあなたは、ユリア姫に一目惚れして、精霊に成りすまし恋人になった。」
フルフィが黙って頷く。
イリア「だからユリア姫を連れだして、最後くらい幸せになってほしいと思ったのですね。」
フルフィ「……(泣き出す)」
アサクがフルフィの手を取って言う。
アサク「あした、一緒に人魚国を幸せにしよう」
アサクの言葉を聞いて、フルフィは我慢できずに大きく泣き出した。
イリア(フルフィを抱きあげる)「泣かないで、よしよし、フルフィ、イリアとお友達になりましょう」
翌日、盛大な婚礼が行われた。華やかなヴァージンロードを歩くアサクとユリア。傍らにいるイリアの笑顔が、なぜか少し引きつっていた。
女王自らアサクに栄光ノ指輪を付けて、新しい国王の誕生を告げる時、人々は楽しい歓声を上げながら、満面の笑みでありがとうと言い、一人また一人、ゆっくりと消えた。女王がアサクの手を、ユリアがフルフィの手を握りしめ、微笑んで感激を伝えると、耳に飾っている【人魚ノ涙】がひび割れ、二人もゆっくりと姿が消えてゆく。完全に消える前に、女王がアサクにこう言った。
ミカナ「130年前のあの人魚島へ行くがよい。王座に隠してある【人魚ノ涙】を探したまえ。それは幻獣界三大神器の一つ、必ず探し出し、わたくしに届けておくれ」
アサク「届けるって、どうやって??」
女王に聞こうにももう完全に消えて、人魚国にはもう生気が少しも感じなくなって、結界が消滅するとともに、海水が入ってきた。
アサク「ヤバい! 城が水没しちまう! とりあえず地上に逃げよう!」
ゴーストカード「結界が消えたから【折畳ノ廻廊】もう使えるはずです!」
イリアがすぐ【折畳ノ廻廊】を使い、みなを伝送した。
神説年暦36722年 8月24日 土曜日 午後三時
震盪によって再び出現した130年前の人魚島に到着したアサクたち。コアがもう封印されたので、大して強い魔物がいないし、雑魚を片付けていくと、王座の下に【人魚ノ涙】を無事見つけることができた。
アサクは【人魚ノ涙】をペンダントにして、フルフィにつけた。彼はペンダントを握りしめて涙をこらえながら誓う。
フルフィ「……今度こそ、必ずユリアを守って見せるよ」
指に付けられてる栄光ノ指輪をみて、アサクが呟く。
アサク「俺、結婚しちゃったんだな」
イリア(心)「本当に結婚したわけではないのに、なぜかお兄さんが取られた気がします。イリアが落ち込む理由なんか、ないはずのに、この気持ちは……?」
イリア(涙目でアサクに抱きつく)「イリアはずっとお兄さんと一緒にいます。イリアを一人にしないで」
アサク「? どうした? 大事な妹を置き去りにするはずねえだろう。よしよし」
イリア「イリア、お兄さんが大好きです。お兄さんのお嫁さんになるのはイリアだけですよ!」
アサク「え?」
一瞬、沈黙の時間が流れた。
話を変えようとゴーストカードが言う。
ゴーストカード「これからどうします? マスター」
アサク「俺がエデンの村に向かう前に、すでに妖精界の時間図書館で『逆時震盪』が起きていた。そして、今回の人魚国、正直ショックだよ……妖精界の現状が気になる。だから妖精界へ行こう、もしかしたら時間図書館でなにか新しい手がかりが見つけるかも」
一同「うん!」
【折畳ノ廻廊】を開いた。アサク、イリア、ゴーストカード・ウダ、魔獅子・サモエドに新たに加えた幻狐・フルフェ、一行が次なる目的地・妖精界へ向かう。
第六章:矛盾たる真義宝典
神説年暦36722年 8月28日 水曜日 午後七時
アサクたちが妖精界に到着するものの、妖精の森に迷い込み、どうしても妖精王国にたどり着けない。
アサク「妖精界の結界って厄介だな、まるで迷宮みてぇだ。どう歩いても出れねえし、【折畳ノ廻廊】で直接伝送もできない。これじゃいつまでたっても時間図書館にたどり着けねえぞ……」
新しくできた友達のガガ鳥を肩に乗せて、イリアも疲れた顔でいう。
イリア「もう歩けません……少し休憩しましょうよ、お兄さん」
フルフィ「腹減ったー」
アサク「しかたない、キノコを採ろう」
フルフィ「ええ~来てからずっとそれじゃん……」
その時、おいしい匂いがどこから漂ってきた。たどってみると、池の近くに美味しそうな鍋が出来上がっている。
アサク「いい匂いだ!」
フルフィ(マイ食器を取り出して)「準備万端! 食べよう」
アサク「持ち歩いてんのそれ」
フルフィ「みなの分もあるぞ~」
ゴーストカード「盗み食いはよくありません……」
イリア「ひ、一口だけなら、大丈夫ですよね、本当にいい匂い……」
魔獅子は何も言わないが、腹の虫は誠実だ。
おいしい匂いの誘惑に負けて、みなにして “おいしい、アツアツ”と言いながら食べ始めて間もなく、一人の巨漢の怒鳴り声が響く。
巨漢「こら! 盗み食いめ!」
が、アサクと目が合う瞬間――
アサク「カーバン!」
カーバン「アサク!」
二人は古き友と久々再会した嬉しさに抱き合った。そしてゴーストカードと魔獅子にも。
カーバン「まさかまた精霊の守り神たちに会えるなんてな。会いたかったぞ!」
イリアも嬉しくてカーバンに抱きついた。
イリア「これ、カーバンさんが作った野原スープだったんですね!通りでおいしいわけですわ~」
アサク「無事でよかったよ~カーバン」
カーバン「俺先月に火族製錬師の修業を遂げるための素材集めをしに、精霊界から幻獣界に行ったんだ。帰ろうとしたら精霊界が丸々消えた感じでなぜか帰れなくて、連絡しようにも手段がないから、妖精界で何かわかるかもって思って。そんで今食いしん坊のお前らと会ったわけだ。な、精霊界に一体何があったんだ?」
アサク「……カーバン、落ち着いて聞いてくれ」
そしてことの顛末の説明を聞いたカーバンが、力が抜けたように座り込んで、またすぐ起き上がってアサクの胸元を強くつかむ。
カーバン「じゃあみんなは? 他の精霊たちは今どうなってる??」
アサクはカーバンの手が離すようにつかんで、俯いてゆっくり口を開く。
アサク「無事脱出した人がどれくらいいるかわからない。今のところ、俺たちが会えたのは、あなただけだ……」
カーバン「……くそ!」
悲憤に満ちたカーバンの拳は、一発で軽々しく森の木々を殴り折った。
ゴーストカード「カーバンさん、どうしたら妖精王国に入れるかわかりますか?」
カーバン「知ってる。でももう日が暮れた。妖精王国を覆う結界が夜になると無限ループの迷宮になる。王国へ続く道は昼でしか現れないから、日が昇るのを待つしかない」
イリア「本当に迷宮だったんですね。お兄さんが方向音痴だからとばかり思いました」
フルフィ「待つしかねえんだろ?明日のためにも今は腹ごしらえして休もう」
アサク「そうするしかないようだ」
魔獅子「みなさんは休憩を。夜番は自分に任せてください」
カーバン「そういえば、この白いキツネって誰だ?」
アサク「幻獣になった【光ノ槍】だよ」
カーバン「ええ~~、ちょっとアサク、お前、まだ何か隠してねえか?」
アサク「横になりな、ゆっくり話すよ」
神説年暦36722年 8月29日 木曜日 午前八時
朝、アサクとカーバンははっきりと目の下にくまがついてる。一晩中人魚国の出来事をしつこく聞いて、二人とも一睡もしなかったのだ。
ゴーストカード「お二人さん、一晩中ずっと話し込んでてうるさかったですぞ」
魔獅子「同意」
アサク「しつこく聞いてくるカーバンが悪いんだぞ」
カーバン「だってさ、まさかアサクが結婚するとはな、人魚国の国王にまで……それに、あんなのあんまりだよ……」
アサク(軽く肩を叩く)「丸一夜感傷に浸っててもういいだろ? はやく妖精の村に連れていってくれ」
荷物をまとめて、カーバンに続いて森に入り、しばらくして、一つの吊り橋に着いた。
カーバン「この先が妖精の村だ」
村に入ると、そこにはもうひどい光景になっている。
妖精界の東北方向、つまり時間図書館が位置する方には、険しい炎が燃え上がっていて、どうやら魔物が出てこれないように囲んでいるらしい。城下町あたりが戦闘の跡がみられるが、幸い損害が大きくないようだ。
村の妖精たちはみな疲れた様子で、その中に怪我人もいる。アサクをみると、すぐ慌てて知らせに人を出した。
村の妖精「早く女王陛下にお知らせを! 精霊界のアサク様が来てくださったぞ!」
一人若い妖精が駆けてきてアサクに話かける。
若い妖精「アサク様、待ってました! 早く王城にお越しください。女王陛下がお待ちです」
アサクたちが妖精王城に案内され、妖精女王・ルナミアに謁見することになった。
途中に見る正殿がひどく損傷であちこちボロボロになっていて、妖精女王もひどい怪我を負い、寝室に寝込んでいる。寝台のすぐそばまで案内されると、女王に付き添う侍女の一人が、カーバンに飛び込んで泣き出した。
カーバン「俺たちが来たからにはもう大丈夫だ、サナ、心配するな」
アサクとイリアはもう一人の侍女の傍に。
イリア「サヤお姉さん、大丈夫ですか。」
アサク「事情を説明してくれ」
サヤ「二ヶ月ほど前、時間図書館の中央ホールに見たことないコアが現れ、たくさんの魔物が出てきて……女王陛下がすぐ兵を向かわせたんだけど、翌日に急に強烈な震波が起きて、図書館一帯の景色が変わったし、そこにいたはずの人々もみなどこかに消えて……それからすごくでかい岩石巨獣が図書館の外壁に登り出ると、まるでそれが合図みたいに、魔物が外に拡散して周りを攻撃し始めたんです。村がもちろん、王城も免れなくて、最後に女王陛下が古代神器【火竜ノ斧】を異変の境界線に刺して炎ノ結界を張ってやっと、魔物を閉じ込めることができました」
サナ「境界線を越えた魔物を辛うじて退治したけど、それで女王陛下に怪我を負わせてしまいました……守り切れなかった私たちが悪いんです……私……」
そう言ってサナまた泣き出す。
アサク「今すぐ時間図書館に向かって魔物を消してくるよ。でもあなたたちはついてくるな。逆時震盪の影響を受けないのは精霊である俺たちだけだから」
その時、妖精女王が目を覚ました。侍女の二人はすぐ女王の傍にいって、起き上がるをの支えた。
ルナミア「精霊界での出来事はもう、夢を通してすべて知った。これは巨大なる陰謀である。敵が時間図書館を狙った理由は歴史を歪ませること。おそらく図書館で巻き戻された時間の記録は消えてしまったのだろう。どうかそこにある【真義宝典】を探し出して、わらわに届けてほしい。まだ修復できるやもしれぬ」
サヤが一つの水晶玉を取り出してイリアに渡した。
サヤ「この水晶は君たちがいるところの様子を映してくれます。これで【真義宝典】を探すのを手伝います。」
イリア「水晶でこんなことができるなんて、すごいですわ」
アサク「一刻も争う事態だ、出発しよう」
サナ「ご案内いたします」
神説年暦36722年 8月29日 木曜日 午後十二時
みなは【火竜ノ斧】を刺したところまできた。
サナ「一緒に入れないから、私はここまでです。どうかお気を付けて」
カーバンが【火竜ノ斧】に向かって言う。
カーバン「カイネ、お前まだやれるか?」
が、【火竜ノ斧】からなんの返答もない。
カーバン「どうやら炎の結界に集中してるらしい。邪魔しないでおこう」
アサク「でも、どうやって入るんだ?」
カーバン「俺は火の精霊だぞ、任せろ。 (両手を前に掲げて)陣防術・赤焔ノ壁」
カーバンがそう唱えると、火で構成された壁が結界の炎をかき分けて、時間図書館まで道が現れた。
【不帰ノ羅針盤】で測ってみると、なんと、1500年もの年月が巻き戻されたのだ。
アサク「1500年も? なんでそんなに昔にまで……とりあえず今は、中にあるコアを封印して魔物を消すのが先だ。いくぞ!」
火の道を通り、無事にホールまで着いたが、やはりそう簡単にはいかず、図書館の外壁にいた岩石巨獣が、魔物をつれてコアを守りにまた戻ってきた。
ふと気づくとイリアの隣が三尾猿になっている。
アサク「友達変えるの早すぎだろ」
イリア「ガガ鳥は火が苦手なんです。だから三尾猿に付き合ってもらうことにしましたの」
アサク「逆時震盪した空間に入って無事でいられるのは俺たち精霊だけなんだろ。なんで三尾猿を連れてこれたんだ?」
三尾猿がなぜかイリアと同じ淡いピンクの光を発している。
ゴーストカード「僕と魔獅子がこの空間に入れたのは、マスターとの主従関係でマスターの精霊の力で守られているからです。今三尾猿もイリアさんと主従関係になったから、同じように守られていますよ」
イリア(三尾猿を抱いて)「怖がらなくてもいいですよ。イリアお姉さんが守ってあげますわ。一緒に冒険しましょう」
アサク「あっそ。早いとこ用事を済ませようか。イリア、あなたはカーバンと水晶玉を持って【真義宝典】を探してくれ、戦闘中に壊れたりしたら大変だ」
カーバン「おう。イリアちゃんを俺が守る。任せろ」
そして魔獅子を召喚して魔装に変身させて防御を整えるが、ゴーストカードが【日輪ノ剣】に変身できない。
ゴーストカード「図書館の中では日の光が弱すぎて変身できません。このままフォローにまわります」
フルフィ「じゃ俺が!」
そういって【光ノ槍】に変身。槍を手に持つアサクは一振りして嬉しそうに言う。
アサク「この感覚、懐かしいぜ! 一緒に戦うのも久しぶりだな。星雲貫通銃!」
すぐ技を出して岩石巨獣と戦い始めた。
一方、イリアは水晶玉を通し、サヤの誘導を頼ってカーバンと一緒に【真義宝典】を探す。邪魔する魔物を、カーバンは図書館の土属性を利用して“陣防術・石屑爆撃”で打ちのめし、やっと宝典にたどり着けたが。なんと、コアの出現場所が、宝典の真上だ。
カーバン(叫び)「アサク! 宝典を見つけたぞ! コアもここだ!」
三尾猿が隙を見て宝典を取り出して、イリアに渡した。襲い掛かる魔物はカーバンが相手している。
岩石巨獣との戦いがどうもうまくいかない。防御が硬すぎて、傷一つまともに与えられないでいるアサク。
アサク「かたっ!これじゃ倒せそうにないぞ」
フルフィ(半泣き)「いたたた! 壊れる! 俺壊れちまうよ~~」
岩石巨獣の強力な一撃で、アサクとゴーストカードがぶっ飛ばされた。
魔獅子「マスター、申し訳ございません。もう…」
言い終わらないまま、魔獅子の変身が解けてしまい、地に転んで、傷だらけになっている。
アサク「倒せないなら策を変えよう。動けないようにして、先にコアを封印すれば、こいつも消えるだろ!」
フルフィ・ゴーストカード「どうやって??」
ゴーストカード「あっ! (フルフィをみる)光をください!」
フルフィ「! なるほど! その手があったか!!」
ゴーストカードが【光ノ槍】からの強い聖光を浴びて変身し、融合して【天斬のエクスカリバー】となった。【天斬のエクスカリバー】で岩石巨獣を射ぬいて壁に釘付けた。
魔獅子に乗ってコアのところに駆け付けて、【聖獄ノ籠】で封印すると、魔物が一斉に消えた。やっと一件落着と放心して、みんな力尽きで地に倒れた。
妖精王城に戻り、宝典を女王に渡すと、女王は妖精界の生き残った記録士を集めて、過去1500年分の歴史を再び宝典に書き込んだ。が、そこに一つ重大な矛盾を、女王は気づいて、すぐアサクたちを呼んだ。
ルナミア「この世のあらゆる命・物・出来事を記録している【真義宝典】は、間違いはないし、不足もあってはならない。だが……」
アサク「どうしましたか?」
ルナミア「……そなたに関する記述が、一切ないのだ。つまりはアサク、そなたがこの世に存在しないことになる!」
まるでこの言葉を合図のように一瞬周りの空間が歪みだして、それが消えた時には、人々の顔色が何やら違うように見えた。
サヤ「あなた誰ですか! 勝手に踏み入れるなど許されませんよ!」
サナ「侵入者がいます! はやく女王陛下をお守りください!」
ルナミア「この無礼者、わらわの寝室とわかっての所業か」
アサク(慌ててカーバンに)「俺のことわかる??」
カーバン「もちろん」
アサク「イリアは?」
イリア「大好きなお兄さんを忘れるわけありませんよ」
アサク(魔獅子・ゴーストカード・フルフィに)「あんたたちは??」
魔獅子「覚えてます」
ゴーストカード「覚えていますよ」
フルフィ「覚えてるぞ」
アサク「じゃあ、いったい何が……」
女王を守るべく妖精の禁衛軍が駆け付けて叫び出す。
妖精兵士「侵入者を捉えろ!」
カーバン(サナに向けて)「俺のことわかるかい?」
サナ「? カーバンさんでしょう? あなたとイリアちゃんがいてくれたおかげで、コアの魔物を退治できましたわ」
カーバン「どうなってる? そうじゃないんだ、こいつが俺の仲間のアサクだぞ??」
ゴーストカード「とりあえず逃げましょう、マスター」
奇妙な状況で仕方なくカーバンとイリアをその場に残して、魔獅子がアサク、ゴーストカードとフルフィを乗せて窓から寝室から逃げ出した。魔獅子の背に乗って逃亡するアサクは、複雑な気持ちで遠く眺める。
アサク「それじゃ俺は、誰だ?」
to be continued~
google play 圖書『アサク伝X真龍の魂』
同時也有22部Youtube影片,追蹤數超過4萬的網紅灯橙あか,也在其Youtube影片中提到,シンガーソングライターの灯橙あかです ご視聴ありがとうございます! 和ぬかさんが作った曲をメドレーにして 歌い繋ぎました。 本家様チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCm7rYZ6xOw3m5GaTMuUJjVw https://youtu.be/FXD...
天 ノ 弱 原 唱 在 皮筋兒 Journey Facebook 的最佳貼文
吃早餐配歷史😂國中很討厭歷史、地理,尤其是要背中國大陸的部分,但就是沒想過版本這麼多,原來不是中國國民黨課綱那樣教的....真是很混亂欸
【說書模式】
這次台灣的世大運辦的非常成功
不過也讓許多政治問題浮上檯面,有同學問了一些問題,像是:
『為什麼我們要叫中華台北而不是台灣啊?』
『為什麼中國要打壓我們呢?』
『為什麼揮台灣旗的會被收走呢?』
這東西實在是很複雜,而且版本也很多,總之,中國與台灣的愛恨糾葛,要從很久以前的國共內戰開始講......
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很久很久以前,在現在中國的地方有個《大清》國,大清一開始很屌,後來變很廢,被一大堆國家吃豆腐。
大清被吃豆腐就想變強,於是課金買了戰艦跟大砲。
「我課了這麼多單,我OP! (・ω´・ )」
然後又開始很囂張。
下場是被一堆國家壓在地上打,臉腫得跟菠蘿麵包一樣大顆...
其中,有一個叫《大日本帝國》的國家,本來是大清的粉絲,後來自己練得比大清還強,一度想幫忙大清......但很快就受不了大清囂張態度,由粉轉黑,揍起大清揍得特別用力。
大清:「別打了,台灣給你 OAQ」
日本:「好耶 (゚∀。)」
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看大清整個沒救了,有些清國人就決定要推翻清,效仿列強的制度,建立一個好棒棒的國家。
整個國內出現幾十個革命團體,到處跟官方作對,讓本來就已經很腐敗的清變得更亂七八糟。
其中有一個特別厲害的叫孫文。
孫文本來沒有那麼猛,但有兩個boss級的狠角色找他合作。
(畢竟要成大事一定得有一個像孫文這樣的嘴炮天才)
一個是很會打架的黃興;
另一個是擅長運籌帷幄的宋教仁。
三個人加上日本地下黑衣人組織的幫助下,凝聚了全國大部分的革命黨,終於翻掉大清,建立了中華民國。
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百姓們以為「仗好不容易打完,這下可以過好日子了吧。」
太天真了!
當初為了推翻清,革命黨的人拉攏全大清官方最強的男人:袁世凱
袁世凱同意幫忙勸皇帝退位,但他要當大總統。
孫文:「好吧,你當第一任大總統,我當第一任臨時大總統,大家都是第一啦」
但幾百年的腐敗哪有可能一夕之間改革?
袁世凱往外一看,各國鹹豬手一直伸進來...
往內再看,孫文與宋教仁的國民黨想用內閣控制國會,架空袁世凱。
內憂外患下,百姓們一樣沒好日子過,還以為被袁世凱衝康,非常森氣,一直上街嗆他。
袁世凱:「吼!中國就是太自由了啦!ヽ(`Д´)ノ」
袁世凱開始暴走,把宋教仁幹掉,把國民黨拆掉。
還把《中華民國》強制更新成《中華帝國》,自己當皇帝。
...
用過win7的都知道被強制更新有多不爽,所以中國人民超不爽,合力把袁世凱怒轟下台。
袁世凱難受想哭,沒多久就病死了。
最大尾的垮掉,下面的人開始搶位置,中國碎成一塊一塊的。
這就是北洋政府的完結,以及軍閥時期的開始。
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在這第二次的革命中,孫文的兩位革命好夥伴黃興病死,宋教仁被殺害,孫文自己也流亡日本,非常落魄。
「可...可惡,難道民主的中國只是一場夢嗎...(´;ω;`)」
就在這時。
另一個神秘黑衣人組織出現在失意的孫文面前...
「你聽過社會主義嗎?」
「我只推薦好東西,但你不要有壓力,聽聽就好也沒關係」
「幫自己一把,給自己一個實現夢想的機會」
原來神秘組織是來自蘇聯的《共產國際》
孫文認為鬥輸袁世凱,最主要還是因為自己沒有軍隊,現在共產黨來了,不但願意提供資金、提供武器,甚至還願意幫忙孫文蓋軍營生兵。
孫文:「這波賺!」
反正三民主義某方面跟社會主義蠻像的,於是決定跟共產黨開始合作。
這就是第一次國共合作。
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孫文配合蘇聯顧問,找了心腹愛將:蔣介石當軍校校長。
很快就練出一支勇猛的部隊,國民黨浴火重生!
...但是孫文卻生病死掉了。
「革命尚未成功,同志仍須努力 」
留下這樣的遺言後,《中華民國的國父》、《中華人民共和國的革命先行者》離開了人世...
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孫文當時有兩個接班人:
文的汪精衛、武的蔣介石
理論上是汪精衛接班......
但很快的,蔣介石率領國民黨的軍隊發動了第一次北伐,利用軍閥間的矛盾,各個擊破。
(但到東北卡關,蔣決定先存檔,改天再打)
東北的奉系軍閥有日本撐腰,很強。
但大家都覺得蔣介石更強,所以手握兵權的蔣介石,聲勢漸漸高過了汪精衛...
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然後在準備第二次北伐的這段時間。
蔣介石:「共產黨黨員會不會太多了啊!?」
看到黨內越來越多共產黨,而且老是在罷工很煩,蔣介石認為應該要除掉他們。
但汪精衛說:「這跟孫文老大生前理念不符啊,能不能用和平的方式解決?」
蔣介石不鳥他,開始派兵攻擊共產黨人士。
共產黨:「介石不要!」
蔣介石:「聽話!讓我幹掉!」
於是在上海的共產黨人士被血洗,死的死逃的逃。
汪精衛:「我覺得不行」
於是團結剩下的人與共產黨,在武漢建立了「國民政府」來抵制蔣介石。
蔣介石很生氣,也在南京蓋主堡,成立另一個「國民政府」
這就是有名的《寧漢分裂》
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結果沒多久...
汪精衛也被共產黨一直抗議跟罷工弄得很煩,重回南京蔣介石的懷抱,手牽手一起排擠共產黨。
既然國民黨又合體了,於是就繼續未完成的北伐。
結果打一半,奉系老大張作霖卻跟日本人吵起來,憤怒的日本人轟殺了張作霖!
張學良:「父親!!不~~~~」
張作霖的兒子張學良這下跟日本樑子結大了,直接全軍歸順國民黨。
國民黨:「搞定!統一中國啦!(゚∀゚) 」
共產黨:「有ㄇ?(゚∀゚)」
原來被排擠的共產黨員偷偷跑到鄉下建立勢力,成立了《中華蘇維埃共和國》捲土重來!
蔣介石氣個半死,馬上派兵鎮壓。
共產黨紅軍完全撐不住,眼看就快要被殺光的這時候......
日本關東軍在這時突擊了滿州!
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防守東北的張學良傻眼,趕快聯絡蔣介石:
「不好了老大,日本攻來了」
蔣介石說:「b」
「現況打不贏日本,攘外必先安內,我們先打共產黨」
紅軍山窮水盡,剩沒多少活人,部隊各自逃竄。
其中一支紅軍部隊老大毛澤東一邊游擊,一邊勉強建立據點,集結了僅存的十萬人,突破國民黨的封鎖⋯⋯
紅軍:「老大,我們要逃去哪?」
毛澤東:「什麼逃!要說我們去打日本!」
於是紅軍一邊被國民黨追殺,一邊面對惡劣天氣與地形,在毫無資源的情況下徒步走了一萬公里。
路上還一直宣傳「國民黨好壞壞,日本人都來了還顧著內鬥殺自己人QQ」、「我們共產黨就算被國民黨搞,也要去對付中國外敵,大家快加入我們」
結果還真的被他們成功了!
紅軍翻過大雪山,走到西北的延安,開始重新組織農村勢力。
而這段大逃亡,被神化成史詩級的愛國大長征,奠定了毛澤東在共產黨的領導地位。
比逃亡更成功的,就是宣傳戰。
整個中國都認為日本人登門踏戶來侵略了,合作抗日遠比網內互打重要。
東北老家被佔領的張學良也這麼想,於是綁架蔣介石,把它軟禁起來,逼他跟共產黨合作抗日...
這就是改寫中國歷史的《西安事變》
水火不容的國共於是開始了第二次合作。
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開始合作抗日沒多久,日本與中國就從地區衝突,演變成全面戰爭。
日本原以為中國軍很廢,沒想到還蠻強的。
抵抗的強度遠遠超乎預期!
雖然還是奪下中國沿海各個大城市,但日軍也死傷慘重。
但可怕的來了:明明侵略大成功,但卻賺不到什麼錢,整個中國這麼大,產值還比小n倍的比利時還低。
日本:「...虧大了 O__Q」
虧錢就算了,這個時候竟然發生一件跌破眼鏡的事:
蔣介石竟然把手上最精銳的部隊砸進上海,狠狠反打一波!
日本差點輸掉!一怒之下,改變策略,追上去想先消滅國軍勢力。
結果在南京跟國軍大打出手,混亂的戰況造成非常大量的平民死亡。
本來入侵滿州就已經害日本被國際排擠了,現在南京殺了這麼多老百姓,各國開始不跟日本做生意了,日本資源越來越吃緊⋯⋯
本來是因為資源不夠才開始侵略,結果中國帶來的獲益超低,維持費又高,還死一堆人,有夠不划算⋯⋯
周轉不靈的日本只好繼續往越南打,結果被美國封鎖+禁運⋯⋯
得不到任何資源的日本這下完全沒戲唱了,只剩下兩條路:
1.放掉目前所有戰果,回日本哭哭
2.賭一把,突擊美國,拿下資源豐沛的東南亞取得資源籌碼,然後逼美國上談判桌。
日 本 選 了 後 者......
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回到抗日戰爭的部分
共軍在國府軍的指揮下,被改編成「八路軍」
但因為東北都是日本人的勢力範圍,所以國民黨也管不太到。
國共基本上是各抗各的,有時候還會互相陷害一下。
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結果打沒幾年,國民黨就對日本投降了。
國民黨:「靠北!哪有!? o__O)!?」
原來是日本打到很累,覺得中國很難打又賺不到錢,超不划算,所以想談和。
一聽到日本願意談和,國民黨大咖汪精衛,接受了日本的提案,回到南京成立同名同姓的「中華民國國民政府」
汪國民政府:「日本這麼強,我們又打不贏...,用和平的方式解決不好嗎?」
蔣國民政府:「B嘴!漢奸!偽政府!」
日本有了汪精衛主導的魁儡政府後,就把攻勢放慢,主打「以華制華」讓中國人自己互打就好。
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美國加入了戰局後。
《抗日戰爭》變成了第二次世界大戰的《中緬印戰區》
有了美軍協助,國府軍開始漸漸的能跟日本打個五五波。
雖然還是輸多贏少,但很確實的把百萬日軍釘在中國,害日本在太平洋嚴重人手不足。
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1943年底
美國在太平洋開始不斷獲勝;歐洲、北非也開始反攻了,為了一舉擊垮軸心國,有必要確定一下聯合作戰的方向
美國:「咱們三巨頭是不是該開個會?」
英、蘇:「好喔」
中國:「...我呢? σ (´・ω・`)」
英、美:「呃...,...好,我們「四強」來開個會」
蘇聯:「等等,我檯面上跟日本有簽約,我跟中國不要見面比較好」
於是,英國的邱吉爾、美國的羅斯福、中國的蔣介石,就改到埃及的開羅先開個會前會。
跟中國有關的部分大概是:
1. 中國配合美國的太平洋攻勢
2. 中國往緬甸方向跟英國合力進攻
3. 日本要把1914年開始佔的土地(加台灣與澎湖)全部還中國
4. 打完後要幫助韓國獨立
但因為英國強力反對孟加拉與緬甸的戰役,加上史達林還沒同意,所以這場會議沒簽下任何文件。
直到過幾天德黑蘭會議結束後,這份《開羅宣言》才發表。
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到了1945年。
納粹德國倒下,軸心國剩下日本頑強抵抗。
同盟軍的領導人在德國波茨坦又開了一次會,討論戰後處置跟太平洋戰爭怎麼收尾。
這時羅斯福病逝,杜魯門上台;
邱吉爾選輸,艾德禮上台;
蘇聯還是史達林。
參加的人不同了,結果也很不同,波茨坦會議因為牽扯太多利益分配的問題,所以開得很不順利,英、美、蘇關係出現裂痕。
不過還是勉強有了些共識,各國會議結束後,發表了《 波茨坦宣言 》
簡單說就是要日本趕快投降,然後照著《開羅宣言》的內容把搶來的東西吐出來。
日本:「我拒絕!ಠ_ಠ」
美國:「我拒絕你的拒絕 (#`Д´)ノ!」
(丟原子彈*2)
日本高層看到廣島跟長崎兩個城市瞬間被蒸發掉,覺得沒救了,就摸著鼻子投降了。
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日本一投降,整個亞洲陷入一片超級大混亂。
國共開始了一場《搶日軍物資》大賽。
這場劫收大戰對國民黨非常不利,因為遷到重慶的國民政府要跑很遠才收得到物資。
但在東北的共產黨只要走出門口就可以開始收了,(蘇聯還來幫忙搶。)
國府軍只好趕快對日軍喊話:
國府軍:「日本的朋友,戰場上的種種行為大家都是身不由己,我們將以德報怨,不再計較」
日軍:「真的嗎?」
國府軍:「但是你們不可以對共產黨投降,不可以把任何物資交給共產黨!」
日軍:「好ㄅ... (´・ω・`)」
雖然日軍答應了,也很努力的抵抗蘇聯與共產攻勢,但還是一大堆東西被共軍接收走。
因為這個過程,國共雙方再次吵架。
從WW2結束後,中國只和平了一個月,國共雙方就開始起衝突...
美國很努力的調停,蘇聯很努力的看戲,最後還是沒辦法阻止國共的決裂。
1946年3月,國軍對共軍的華北、華中展開全面攻擊。
第二次國共內戰就此開打...
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開戰前,國府軍總人數有430萬,還有美軍給的武器、戰車跟飛機。
共軍在抗戰期間不斷的從農村吸收力量,湊出了120萬人,不過只有一堆莫名其妙的步槍可以用。
戰鬥初期,毛澤東下令共軍避免正面衝突,以游擊戰為主,同時進行宣傳戰與焦土戰。
並且持續的在鄉村實行土地改革,將地主的地分給農民,然後吸收更多的農民加入。
國府軍勢如破竹,一年左右的時間就把共軍佔領的城市打回來,甚至連共產黨大本營延安都打下來了。
國府軍:「GG」
共軍:「你才GG!陷阱卡發動!(#`Д´)ノ」
就在這個國府軍以為要消滅共產黨的這個moment。
共產黨熊熊變身,改版成《人民解放軍》並且開始反攻!
國府軍兵敗如山倒。
國府軍:「為...為什麼!?(((゚Д゚;)))」
原來解放軍不論是戰前、戰後一直忙著農村的土地改革。配合長時間的宣傳戰,再次營造出「解放軍是為了人民而戰」,「國民政府軍只是蔣中正的私人軍隊,為了爭奪權力對自己人動武」的形象
中國已經打了十幾年仗了,大家都很厭戰...
以前打的是日本人,有愛國情緒在撐;但現在打的是自己人,大家根本打不下去。全國百姓又是失業又是餓肚子的,看到發動內戰的國民黨就不爽。
國府軍看似一直贏一直贏,其實已經處於「鄉村包圍城市」的情況。
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面對解放軍全面反攻。
國府軍一開始也沒有很怕,畢竟人數還是壓倒性的多。
這時解放軍發動了第二張陷阱卡!
讓國府軍再次全面敗陣。
國民黨:「為...為什麼!?(((゚Д゚;)))」
原來國府軍的兵都是四面八方徵來的,卻因為上級的權力鬥爭而被派到異鄉作戰,空虛寂寞覺得冷
而且蔣介石疑心病重,總是喜歡把同派系的打散,只重用自己嫡系的人。
但解放軍則幾乎都是北方人、軍官把同鄉的或是同家族的人編在一塊,讓它們為了家園而戰,打起仗來同仇敵愾,贏一起贏,死一起死。
士氣遠比人數重要,國府軍又吞了好幾場敗仗。
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國府軍:「可惡,沒關係!我還有裝備優勢!」
解放軍:「翻開陷阱卡~速攻魔法發動! ヽ(`Д´)ノ」
解放軍拿出大聲公開始喊:「蔣軍的弟兄們,只要投降繳械,不但不殺、不問罪,還請你們吃大餐,讓你回老家看家人喔」
這一招一出,效果拔群,超爆幹有效!
國府軍前仆後繼的投共,甚至有整個師帶著武器、裝備直接投共。
有了國府軍投降的武器與裝備。
再加上蘇聯「不小心」忘在滿洲國的槍械與火砲。
解放軍再也不是一開始只有『小米加步槍』的雜牌軍。
而是一支不論質與量都屌打國府軍的鋼鐵勁旅了。
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國府軍:「可惡,我們先回家重整旗鼓!」
但是就算回到自己的地盤,國民政府一樣不斷的失血。
因為社會秩序已開始崩盤。
之前國民政府拉攏日軍、配合偽軍的劫收吃相太過難看。
抗戰時每天都在罵日本狗、漢奸......,結果抗戰完馬上跟這些人一起搶物資。
通貨膨脹得亂七八糟,銀行天天都在擠兌。
說要用金元卷穩定經濟,結果卻坑殺掉中產階級所有財產
官商勾結、貪汙舞弊,民不聊生...
知識份子帶著人民上街抗議,卻被子彈鎮壓。
導致本來沒有解放軍的地方也變成支持解放軍了。
「反正再糟也不可能比現在糟,換人看看會不會比較好」
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短短不到一年時間,解放軍就收回所有丟掉的地方,把國府軍打到失神。
並在《遼瀋會戰》、《徐蚌會戰》、《平津會戰》 三大戰役後,情勢完全逆轉!
長江以北完全被解放軍掌控。
蔣介石不得已,只好開始跟中共談和。
但解放軍現在是順風場,姿態很高,開出的條件蔣介石不能接受。
蔣介石袖子一揮「不談了不談了」
就宣布退休,把全部的事情丟給副總統李宗仁。
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可是,中華民國當時是以黨領政。
蔣介石退的是總統,但沒有退掉國民黨主席的位置,李宗仁根本沒有實權。
李宗仁:「老蔣,你陰我!(#`皿´)」
談判很快就破裂。
4月21日,解放軍度過長江,接著不到三天,就拿下了南京。
最後的幾個月,共軍想打哪就打哪。
有時甚至不需要動武,目標城市就會自己政變開城迎接解放軍。
李宗仁覺得很幹。
雖然想往西南繼續退守,但蔣已經開始把物資偷偷搬往台北.....
不論是外鬥還是內鬥都居於劣勢的李宗仁政府只能一直退一直退...
最後覺得情勢沒救了,李宗仁乾脆說自己胃痛要看醫生,跑去美國就不回來了。
解放軍在1949年10月1日在北京 人民的掌聲與歡呼下,成立了中華人民共和國」
中華民國就這樣從南京退到廣州。
再從廣州退到重慶。
接著再往西一點到成都。
最後,來到了台灣......。
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中國跟台灣發生的這一切
美國都默默看著。
從二戰開始,美國就不斷的援助蔣介石,為的就是將來二戰獲勝時,在中國有個親美政權。
可是沒想到國共問題會鬧成這樣......
當初美國支持蔣介石,而蘇聯支持毛澤東的情況,是戰況升溫的原因之一。
美國就心想:「那不然我就跟蘇聯一起撤軍,讓國共自己打,蔣介石兵力多三倍,總不可能輸吧?」
結果蔣介石被打爆。
美國:「WTF!? ಠ_ಠ」
不管砸多少錢、多少裝備給國民黨
結果不是莫名其妙的不見,就是跑到共產陣營那邊...
美國雖然想找個人來取代蔣介石...
但一時又找不到適合的人選...
就這樣被套牢十幾年。
現在老蔣在國共戰爭的大挫敗,讓美國在中國的投資即將化為烏有。
但看到老蔣開始把物資大批大批的搬到台灣,美國頭又更痛了:
當初請中華民國托管越南,結果中華民國把越南出賣給法國。
然後請中華民國托管台灣,結果管得亂七八糟,甚至現在丟掉中國後,竟然想直接把中華民國搬過來。
當初《波茨坦宣言》說了要把台灣還給中國沒錯...
但那個中國應該是很強很大的那個中國,不應該是這個貪腐又只會吃敗仗的中國啊......
可是我如果用《聯合國憲章》來讓台灣民族自決,等於放任蔣介石政權被殲滅,我的投資會血本無歸...
就這樣,美國在各種矛盾,又找不到更好的辦法下...
只好多做幾個備案,讓蔣介石把中華民國搬到台北。
看怎樣再見機行事。
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結果國民黨到了台灣,表現的比在中國的時候好得多。
大致上原因如下:
1. 從中國運來大量黃金與物資,支撐了前幾年的政府運作
2.台灣人民教育較普及,素質較高,讓政策推行順利。
3.日本人留下大量基礎建設、資料跟數據,讓政府的體質大大改善。
4.很多日本人留在台灣提供技術與軍事的訓練
而且,台灣小得多,相對好管理。
社會主義思想也還沒在此萌芽......
所以清鄉一輪後,也不會有人帶頭反抗。
最最最重要的是:《韓戰》在這時開打了...
如果說《西安事變》是拯救共產黨的救命繩...
那拯救國民黨的就是韓戰。
因為韓戰的原因,美國改變策略,正式將台灣列入防堵共產勢力擴張的島鍊。
並且將艦隊開到台灣海峽中間,強勢中止了解放軍跟國軍的戰鬥。
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各國在這段期間,籌備了《舊金山和約》來把日本的戰後處置說清楚講明白。
但因國共還沒打出勝負,《中國》代表權有爭議,所以沒有人出席簽名。
日本就在和約寫了「放棄台灣跟澎湖列島的主權」
雖然沒有寫清楚「還給誰」...
但在那個時候,世界的局勢是民主vs共產
在台灣的中華民國,是民主陣營所認定「唯一合法的中國政權」
所以沒寫清楚倒也沒什麼問題。
但到了1969年,中共跟蘇聯吵架了!
美國馬上把握這個機會拉攏中共,畢竟要是少了中國這一大塊,蘇聯的勢力馬上削弱超多!
拉攏中共的條件,就是美國認定中共是「唯一合法的中國政權」
美國:「好,這下只要叫中華民國改名成台灣,一切就搞定了」
中華民國:「我不要... (´;ω;`)」
美國:「你乖啦,不然大家很難辦事」
中華民國:「 我不要 我不要 我不要 我不要 我不要 」
美國兩手一攤,眼前對付蘇聯比什麼都還重要,既然中華民國不配合,那就算了。
於是這世界的「中國」變成中華人民共和國
中華民國:「我才是中國 ><,你們要是不承認我就絕交」
這話說出口,各國也沒辦法,紛紛跟中華民國斷交。
中華民國眼看就要被逼退了,乾脆桌子一拍
「哼,漢賊不兩立啦!ヽ(`Д´)ノ」
然後轉身離開,退出了聯合國...
-- -- -- -- -- -- --
就因為這些不同的時空造成的複雜時局變化...
讓台灣土地上的人民一直飽受身分認同的困擾。
到了現在...
台灣的主權問題依舊在《中華人民共和國》、《中華民國》、《台灣》各個不同的勢力間拉扯。
中國認為:台灣是中國的,中華人民共和國才是中國;
中華民國認為:台灣是中國的,中華民國才是中國;
但越來越多台灣的人民開始有了不同的認定,像是:
中華民國就是台灣,台灣不是中國的。
以及:
中華民國是中華民國,中華人民共和國才是中國,台灣是台灣,台灣尚未建國。
目前來看,這些問題非常難解,原因如下:
1. 不管哪個說法都能找到可以施力的依據。
2. 讓台灣保持這種曖昧關係,對美國好處最多,所以美國故意不把話講死。
3. 中國為了取得台灣的領土,用武力威脅中華民國不能修憲、不能獨立。
-- -- -- -- -- -- --
我知道的大概就是這樣...
這段歷史真的太長太複雜,短短6000字真的沒辦法講得很詳細,若有什麼漏掉的部分、或是錯誤,還麻煩各位大大幫我補充。
希望有一天
台灣人能用智慧,以和平的方式找到解決的辦法......
(´・ω・`)
天 ノ 弱 原 唱 在 山下美月です Yamashita Mizuki Facebook 的精選貼文
晚了更新
在上海時當機了一次
回來也一直在忙zzz
笨蛋你才是那個反萌差吧
20181130 おいでシャンハイ( ˙˙ )
大家好!
我是山下美月呢 ( ˙꒳˙ )
還有不夠一個月就到聖誕了
外邊也變得寒冷起來了
將會是一個想念家的季節呢
雖然山下我一年四季都想呆在家
最近早上都很喜歡吃肉饅頭
早上的工作? 就是吃肉饅頭吧
肉饅頭真的很好吃呢ー˙꒳˙)
外表純白得像天使一樣
裡面卻是香濃而份量很充足的肉...
是反差萌
既有外表也有內在
這不就是最完美的偶像嗎
真想成為一個像肉饅頭一樣的偶像呢ー
不過似乎不會有人喜歡像肉饅頭一樣的偶像呢
但是我喜歡熱的饅頭
在寒冷的冬天大家也要試試唷ー!
舞台「ザンビ 」
最後一場公演在昨天也完成了
紅組藍組住部人一起完成了全程的演出 真是鬆了一口氣呢
也謝謝來看了演出的大家 ⸜(* ॑ ॑* )⸝
今天是首位聯合三個組合的共同舞台劇
到底會是怎樣開始呢...
帶著既緊張又期待的心情
即使是彩排
也很難才會全部到齊
坂道的成員也是
紅組只有3次是全員6人到齊的...
真是慌忙的渡過這個月( ..)
因為一個角色有兩個人在演
所以兩隊有空出角色時就會互相補充
山下我和久保一起演出時
就是想起三人公演時的回憶◎
ふふふ~
未完成的世界觀大家都一起努力創造
雖然是第一次合作
但不知道為什麼卻像很熟悉一梂
果然感受到坂道獨特的氣氛 真的很高興(*¨*)
對於紅組的5人 真的是滿滿的感謝˙꒳˙)
最開始接受訪問是
紅組的大家都比較見外
雖然是被這樣說過
可是現在6人已經可以快樂地打成一片了⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
經歷過某件事
產生了迷一樣的一體感
一下子距離就縮短了( ´˘` )
好久沒有像這樣子放聲大笑了~
飾演著本宮佳蓮的京哥!
京子笑的時候大家也會被帶動著一起笑⸜(* ॑ ॑* )⸝
對著佳蓮的前輩那幕表現出強大的感情十分有迫力
住手! 這不僅是一句台詞更像是心中的吶喊
這種反差令我很感動 (;-;)
還有京哥唱歌很好好想再聽到她唱歌啊 (;-;)
小坂菜緒飾演飯野!
在舞台開始之前
山下我就和菜緒交換了聯絡方法
想和她聊更多呢
這次可以共同演出真的非常高興(*ˊ ˋ*)
菜緒真的十分適合這角色
演出時真的很自然地演出日常真的很厲害( ..)"
飾演桂雪穗的土生瑞穗!
土生擔任著紅組的組織者
從她對待舞台的態度我學習到很多( .. )
她的台詞充滿著安心和說服力
時而踏實時而溫柔時而感性
是一個只有土生才能勝任的角色( ..)
土生在舞台上的身軀十分閃耀
重新看錄像時雙眼一直離不開她呢( ´˘` )
一色彩菜的飾演者是小林由依ー!
其實山下與由依是同年的(*¨*)
非常非常高興
由依身上洋溢著舞台的熱情和喜歡!
舉止行為全部都與舞台融合在一起
真的讓我學到很多
歌唱和演出都太精彩了!
与田祐希的鳴沢摩耶!
感覺這個月都在和与田呆在一起呢~
無論是行程上還是演出角色也好
感覺真的十分辛苦(;-;)
隨著不停公演看著她漸漸地變強
我也必須跟上了
對杏奈來說摩耶是不可取代的伙伴
感謝妳的守護(*ˊ ˋ*)
因為有与田在我也變強了◎
和与田談了很多關於肉的話題~
2人也一起去了烤肉◎
与田隨身帶著拌飯料
作為禮物送了她烤雞味的...
不知道好不好吃呢ー
下次想一起食もつ鍋ー
想再次聚集6人ー!
約她們一起吃飯⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
可優秀的紅組相遇真的很幸福◎
感謝( ´˘` )
還有
導演児玉さん和脚本高山さん
舞台的各位工作人員
各位指導打斗歌唱演出的各位老師
負責制作的工作人員等
在背後支持幫助的各位
在你們的幫助下每天舞台都順利地進行了
當然這樣的環境不是理所當然的
是十分難得的令我十分感激
全瀨各方的幫助
才可以安心地進行演出
對全體人員我心中都是滿懷感激的◎
謝謝你們(*ˊ ˋ*)
還有
solo的各位
合唱的各位
可以和最喜歡演出的大家站在同一個舞台上
每天都十分幸福也學到了很多
1日2次公演都有不同的人員演出
体力來說是一弟辛苦的一件事
但是還溫柔地看我們演出
真的十分感謝(;-;)
為了再次和大家在一起我會努力的!
感謝帶來各種相遇的舞台(*ˊ ˋ*)
乃木坂成員也在繁忙中抽空來看了感謝感謝(′;ω;`)
這次我所演出的角色
一之瀬杏奈
真是十分難演出
是至今出演角色中最難的...
原創作品來說
一般都是活潑開朗溫柔善良
這樣子的性格來開始故事的
但是因為杏奈她失去了部分記憶
隨著時間心情和言行
都變得敏感
雖然劇中一直都在喊著害怕
是個陰暗的女孩子
但是假如她姐姐沒有被殺的話她也不會失憶
這孩子肯定不會這樣的...
有時候她會作出堅強可靠的發言
會在眾人前發表自己的看法
我覺得她失憶前也是這樣的
然而她變化最大的是
對於恐懼的承受消失了
由於姐姐的死難以接受而失憶
也會拒絕湊起創傷的事
是感情爆發型呢
經常叫喊著聲音都沙啞了 笑
因為喉嚨很干都要變成沙漠了( 'ω')
一個令人擔心又脆弱的女生
言行也委奇怪
為了演出她就是犯人嗎這種氣氛
我也是考慮了很多呢⸜( ॑꒳ ॑ )⸝
兩組的演員都各向著不同的風格很有趣呢!
梅澤的杏奈
是一個可靠的人支持著強大的久保摩耶
溫柔繊細的杏奈
可以顯示出平日兩人的關係
真有感情代入感(;-;)
与田的摩耶雖然膽小但是想要保護杏奈的感情卻很強烈
責任感強又自責的摩耶×溫柔開朗的杏奈
我曷這樣想像著來演的˙꒳˙)
所以看了兩隊的觀眾肯定會有不同的感覺
這正是雙隊伍的奧妙
請也在dvd裡比較一下吧~
對我來說
用自己本來的聲音來演這個角色的話
遇到很大的困難
提高音量的話也只會有比較高的聲音不會大聲
和我想像出來的不太一樣
所以每天都在研究著...
制作人告訴我們要想像一下
我們眼中与田和山下的角色不同之處
為了讓与田看起來比較強
從練習時就開始修正著兩人的舉止動作
又學習到一個演出的難處和樂趣
一之瀬杏奈也辛苦了(*¨*)
讓我成長了這麼多真的十分感謝◎
要好好休息...
ザンビ結束後第二天
連續劇「神酒クリニックで乾杯を」也開拍了ー!
有幸演出諼士一ノ瀬真美◎
雖然拍攝讓我十分緊張
但被這麼一流的演員團體包圍著
我覺得這地方可以吸收更多新的刺激真好( ´˘` )
1月開始會在BSテレ東周六九點開播!
還會再通知的
請多多關照⸜(* ॑ ॑* )⸝
感謝可以持續得到演藝的工作◎
雖然實力遠遠不夠
但是想學習更多的東西!
雖然有點早
還是有一樣想告訴大家的事~
演出也要加油ー(*ˊ ˋ*)
今年出演紅白的事情
決定下來了!
這是一直支持我們的飯和staff大家的功勞(;-;)
真的萬分感謝◎
今年也
為了總結這1年
必須鼓起精神演出⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
請多指教!
教主的「トラペジウム」發售了!
回到東京絕對要買(*ˊ ˋ*)
和教主對談的BUBKA今天也發售了◎
是國民女友的那位前輩的封面!
美少女戰士後和教主一起工作的機會增加了
真的很高興⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
晚飯也好坐飛機也好
我都坐在教主旁邊...
高山的飯真是對不起呢( ¨̮ )
然後然後呢
我現奎在哪裡呢ー?
對在上海~
わーい( ´˘` )
正在準備明天上海LIVE呢~
在上海有很多飯來迎接我們
真的是十分開心( ¨̮ )
昨天晚上和成員一起吃了上海菜~
有很多第一次吃的東西
又一個回憶呢◎
肚子好飽呢ー!
上海螃蟹ー!
來上海LIVE的各位
一起愉快地過吧⸜( ॑꒳ ॑ )⸝
來的路上一路順風唷◎
去上海前
想吃點日本菜
但是晚飯吃得太飽想吃分量少一點的東西
結果吃了刨永
好冷~
和美波一起吃的呢
山下我穿著綠色大衣吃著蜜瓜口味
而梅醬則是穿著紅色大衣吃著草莓的
2人意識真是高呢 笑了出來
果然沒去吃壽司太好了~
純奈生日快樂耶⸜(* ॑ ॑* )⸝
喜歡純奈的時尚私服和嘴唇還有笑的方式!
最近有意識要多多使用筷子~
舞台「鉄コン筋クリート」去了看唷!
舞台上的月少看起來比平時大了好幾倍
帥氣又閃閃發亮...
被感動了(;ω;)
已經十分冷了
大家要多吃點暖和的東西
注意身體不要生病唷
祝大家都有愉快的12月~
シマウマを
しまうママ
ばいばいっ
#山下美月
天 ノ 弱 原 唱 在 灯橙あか Youtube 的最佳解答
シンガーソングライターの灯橙あかです
ご視聴ありがとうございます!
和ぬかさんが作った曲をメドレーにして
歌い繋ぎました。
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天 ノ 弱 原 唱 在 灯橙あか Youtube 的最讚貼文
シンガーソングライターの灯橙あかです
ご視聴ありがとうございます!
頭から離れなかったので歌ってみました。
長さが1:06 で、ギリギリショートにはできないし、
普通にあげたら短すぎるので
悩んだ末耐久動画にしました。
本家様
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https://youtu.be/ArFlXTfe3oA
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8月中、金曜ロードショーにて
3週連続でジブリ映画が放映されました。
それに合わせて、短めのカバー動画を3つ作って
TikTokに載せたところ評判が良かったので
つなげて一本の動画にしました!
楽しんでいただけたら嬉しいです。
風になる
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ひこうき雲
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もののけ姫
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